やっぱりそうだよな
真後ろから突然声を張り上げられ、心臓が痛む。
いつの間にいたんだ、こいつ…
俺を睨むように見るタイウィンにまた頭が痛くなる。
「私はローマンになら、ミコを嫁がせても良いと思っているぞ!」
「まるで父親みたいな言い方だな…」
「あぁ、そうだ?ミコは妹分でもあり、可愛い子だからな。」
「お前自身はミコを貰うつもりはないのか?」
「私が…?まさか!ミコが選ぶのなら、応えるが…私にはそんな気は全くない!」
「ね、タウもこう言ってるんですっ。恋人になってくれませんか…?」
「もちろん、断らないだろう?」
「うおおぉ!!近い!!!!」
ハッと目が覚めた。
息が酷く乱れ、全身にしっかりと汗をかいていた。
……夢か…
良かった………
時計を見ればいつもの起床時間より少し早い時間。
二度寝するにも短すぎる。
夢の内容から離れようと、とりあえず窓を開けてみる。
はぁ…ミコが俺のような奴に惚れるわけがない。
そしてタイウィン以外の男に懐くわけもない。
実際に告白したのは、闘技大会の勝利を掴んだタイウィンだ。
あいつのウジウジとした態度に喝を入れてやったんだ。
『結婚を前提に恋人にならないか?』
緊張で揺れながらも、しっかりと伝えた声は未だに耳に残っている。
シュネルと一緒に、あの二人の恋模様を見届けてやったというのに…
「おはようございますっ、ローマンさんっ。」
「あぁ、おはよう。」
「今日はローマンさんとペアの日ですね!」
「…そう、だったな…?」
「あれ?忘れてました?今日はタイウィンさまが演習の総合責任者で、一日中兵士さんと鍛錬するから…」
「あぁ…今日だったのか……はぁ…」
「…?朝から何だか疲れてるみたいですね?」
「ちょっと…変な夢を見たからな。」
よりによって今日が、一日中ミコと過ごす日だとは…
あのおかしな夢の中のミコと、目の前の光景が重なる。
やめてくれ…頭がおかしくなりそうだ…
「ミコ、聞いていいか?」
「はい?どうしたんですか?」
「お前の一番はタイウィンだよな?」
「もっ、もちろん…そうですよ…」
「はぁ……」
「急にどうしたんですか…っ。」
「いや、お前に夢の中で告白されてな…はぁ……疲れてるみたいだ。」
「そうだったんですね…夢の中の私が悪いことしちゃってごめんなさい!私は浮気しませんよっ。」
2/8
prev next△