はっきりさせろよ!
「急に集めてどうしたんだ?」
「お前は噂話を知らないのか?」
「噂話…?さぁ……私達は離れた場所にいたからな…」
「こほんっ……皆さん、お伝えしたいことがあります!」

声を張っても、あまり大きくならないミコの言葉を皆が静かに聞いている。
俺とミコが抱き合っているように見られたこと。
そこから、付き合っている疑惑が浮上したこと。
全ては誤解であること…

「ほ、補佐殿!一つ良いですか?」
「は、はいっ!なんですか?」
「つまり補佐殿は今、フリーってことですか?」
「ふりー?」
「あぁ、えっと…恋人はいないということですね?」
「えっ!と…それは……そう…ですね…私の心はシュネル様に捧げているので!」
「そんなことを聞いてどうするんだ?色恋の前に昇級を目指せ。」
「す、すみません…」

ハッキリと答えないミコのせいで、「ワンチャンあるかも!?」や「こんなに男がいるのに、まだフリーだったのか!?」という声。
そんな一般兵に比べて、近衛兵は苦笑している。
タイウィンも何か言うのか、気になったが特に何も言うつもりはないらしい。
じっとミコを見つめている。
緊張で顔を火照らせながら、こちらに戻ってきた。
夢物語で盛り上がっている兵達を黙らせて、今日の公務を終了させた。
のそのそと寮へと帰っていく。

「はぁ…変な噂って簡単に流れるんですね…」
「お前は何も言わなくて良かったのか?」
「…私が、か?言わずともいつもは傍にいるからな。牽制くらい簡単だ。」
「ローマンさんは気づいてないかもしれないですけど、実はタウって凄くヤキモチ妬きなんですよっ。」
「ミコ…あれは嫉妬ではなく、ただの牽制だ。」
「だって…私に話しかけようとする人の間に立って、『何か用事か?』って睨んでるでしょ!」
「だから、それが威嚇だと言ってるんだ。」
「へぇ、独占欲が強いんだな?」
「そういうつもりはないっ!」

ただの男であることを珍しく感じて、からかえば照れた様子で否定する。
タイウィンもあまり強く主張しないタイプだったのか。
それとも、やはりミコの気持ちを考慮しているのか?
どちらにせよ、公表しないせいで変な噂も出やすく回りやすい。
もう少し牽制すればいいものを…

「タウはさっきの話を聞いててヤキモチ妬かなかったの?」
「何でだ?君が急にローマンと付き合う理由もないだろう?」
「まぁ、それもそうなんだけど…」
「それとも抱き合ったことか?それ位は別に構わない。相手が親友なんだからな。」
「俺への絶対的な信頼ってやつか?」
「まぁ、そんなところだな。」
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