珍しい…(光ローマン)
公休日に珍しくぼんやりと、一人でベンチに座るミコを見つけた。
いつもは何があってもタイウィンが一緒だというのに…?
特に今日は何か演練があるわけでも、なかったはずだ。
どうにも気になって、隣に座っても気づかない。
心ここに在らず、らしい。

「ミコ…?ミコ?」
「………」
「ミコ、聞こえませんか?」
「…、…!ろ、ローマンさん…どうしたんですか?」
「それはこちらのセリフです…タイウィンはどうしたんですか?」
「あぁ…タウなら……喧嘩しちゃいました…」
「喧嘩…!?」

あんなにも相思相愛している二人が喧嘩!?
よっぽどの事がない限り、お互い怒らない性格だというのに?
喧嘩したショックで、ここに一人座っていたのか…
自然に仲直りするとは思うが、手伝わないままではいられない。

「喧嘩の発端、聞いても?」
「んー…デートしようね、って約束してたのに、急にダメって!」
「デートの約束ですか。」
「何でダメなの、って聞いても何も教えてくれないのに。一方的にダメダメ言うばっかり、嫌になっちゃって!」
「なるほど…それは困りましたね…」
「お出かけ楽しみにしてたのに…何も教えてくれないなんて酷いよ…」
「それで出てきたんですね?」
「ローマンさん……」
「だとしても、彼が追いかけないのは妙ですね?よっぽどの事情なのでしょう。」
「ローマンさん、一緒にもう一度聞きに行ってもらえませんか…?」
「私とですか?構いませんよ、私も理由が気になりますし。」

デートにはよく行っている印象がある。
それに彼はミコのお願いを優先する男だったはず…
それでも譲れない何かとは一体何だろうか?
そちらの方が気になって仕方ない。
それに私がいるだけで勇気が出るのなら、喜んで付き添おう。
とぼとぼと元気がなさそうに歩きながら、部屋へと戻る。
かなり楽しみにしていたようだ。
この悲しみ以上に楽しませてやってくれれば良いのだが…
コンコンコンッ…

「タイウィン、いるか?少し良いだろうか。」
「……ローマン……ミコ!戻ってきたんだな。」
「やだ…っ」

タイウィンが手を伸ばせば、拒むように私にしがみつく。
その様子がタイウィンの眉間に皺を寄せていく。
一人でぼんやりとベンチに座っていたこと。
付き添いで事情を聞きに来たことを伝える。
それを聞けば、今度は口まで固く閉ざしてしまった。
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