困った事案だな
「ミコには言えないことなのか?」
「まぁ…そうだな……」
「何で!!ばかっ!!」
「俺からは言えないが、ローマンから聞けばいい。」
「そうか…ミコ、少し待っててくれるか?」
「…分かりました……」
どうしてもミコに聞かれたくない話?
いや、直接聞かせたくない話、か。
私になら話すという条件を飲んで、部屋へと入る。
廊下で待つミコの為にも。
喧嘩をした二人が仲直りする為にも。
「それで…ミコには言えない話とは?」
「うむ……実はだな……」
「………」
「………凄く言いづらいんだが………」
「あぁ。」
「その………ふぅ………」
「急がなくてもいい。」
「あ、あぁ………えっと…」
珍しく言葉を濁す様子に嫌な予感が思い浮かぶ。
いやいや、これ程一途な男が、まさか、そんな訳が…
ようやく、ゆっくりと話す言葉を繋ぎ合わせていく。
先日、一人で見回りをしている時に妙な団体に絡まれたらしい。
その時は平民である為、軽くあしらってその場から逃げたらしい。
が、次に外へ出た時、まるでボスの様に懐かれてしまった。
そんな変な奴らにミコを会わせたくない…
これのどこが言い難いと言うんだ?
ボスの意味が違う?
まるでホステス…女性の集団に懐かれた…!?
それはつまり………なるほど……
想像したらミコにとって地獄絵図だ…
それにこんなことは確かに言えないな。
例え、その愛が揺るがないものだったとしても…
いや…愛してるが故に心労させたくないのだろう。
「俺の何が良いと言うんだ?チッ…ミコだけに愛されれば良いっていうのに。」
「どう伝えてやるべきか…様子を見ながら話してみる。」
「頼んだ…俺はあいつを泣かしたくないが…うまい言い方も分からなくてな…」
「任せておけ。」
また背を向けたタイウィン。
私もミコにどう告げるべきか悩むところだ。
普通なら堂々と『タイウィンの恋人』である事を、彼女達に言えば終わりなのだが…
知っている人を増やしたくない、ミコはあまり己への自信がない性格。
その女性達に成り代わろうと押しのけられれば、簡単に折れてしまうような子だ。
愛が届いていないわけではないと思うが、強く出れない少し弱気な性格。
勝負しろとも言えない。
だからと言ってタイウィンに蹴散らせと言ってしまえば…
………
あの人は少々乱暴だから、どうなってしまうのかも知りたくない。
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