職業体験
外回りへ出る前に忘れ物をしてしまった。
普段とは違う物を用意する時は、前日に準備しているのに…
それすら意味無く、放置してしまっていた。
部屋へ入ると、ちょうど給仕さんが掃除をしに来ていた。
挨拶をしてサッと、置いたままの物を取る。
……メイド服ってやっぱり可愛いなぁ…
「…どうかされましたか?」
「………はっ…!い、いえ!」
「そうだ、ミコ様は給仕の仕事にご興味はおありですか?」
「給仕さんの…ですか?…少しある、かな…」
「ならば明日、同じ服装で給仕の仕事をしてみませんか?」
「えっ!?」
「明日から新人研修なんです、王宮側の方がいらっしゃっる方が良いかと思いまして。」
「あぁ……確かに明日は遠征日ですからね…もし良いのなら、やりたい…です…」
「うふふ、服は支給品ですから終わった後は、タイウィン様の専用メイドになってみるのもいかがでしょう?」
「た、タウ専用…!?」
そ、それってタウにサービスを……ゴホンッ!
な、な、何でそういう事考えちゃうかなぁ!
赤くなってしまった顔を扇ぎながら、集合時間と場所を聞く。
いつも給仕さんにはお世話になっている。
足手まといになるかもしれないけど、やっぱり感謝もこめて、お手伝いしてみたい。
楽しみが出来た足取りで、門前へと向かう。
合流すれば、さっそく巡回が始まった。
「明日、給仕さんと一緒にお仕事することになりました!」
「へぇっ、良いねぇ!僕の所にも来てくれるのかな?」
「それは分からないです…けど、シュネル様も会ってみたいですか?」
「メイド服のミコの姿は、見ておくべき物だよね?タイウィン?」
「はいっ!?そ、そうですね……何を着ても似合うので…」
「給仕さんにからかわれたんですよっ。終わった後は、タイウィンさま専属メイドになるのはどうですか、って。」
「い、いいな……」
「ご満悦そうだね。僕も明日が楽しみだよ、新人研修だよね?視察しに行こうかな。」
「新人さんが緊張しそうですね…」
「こっそり見てるから、大丈夫、大丈夫。」
少しの休憩時間。
三人並んで座って、先程のお誘いの話をした。
じっと期待するように見られて、少し恥ずかしい。
給仕さんの仕事ってどんな事をするのかは、大まかには知っているけど…
実際はどんな風に一日を過ごしているんだろう?
シュネル様も見に来てくださるみたいだし、一日頑張って普段とは違うお仕事もやってみなくちゃ!
1/8
prev next△