開始!
朝、早くに起きて、渡されたメイド服に着替える。
胸元に青リボンがついていて、エプロンの肩紐とワンピースにはフリル。
ロング丈で袖口はボタンでキツく留める。
エプロンは後ろで結んで、大きなリボンを作る。
髪が邪魔にならないように、一つくくりにしてから、丸めた。
姿見の前で、裾を揺らしながら着心地を確かめる。
うーん…給仕さんのこの服、やっぱり可愛い…!
着替える様子を眺めていた早起きなタウが、近づいてきた。
腰に腕を回して、抱き寄せられる。
「あぁ…良いな…君はあまり髪をあげないから…」
「お団子作るのも良いけど、重たくて疲れちゃうからね。」
「ふふ……普段なら髪で隠れてた痕も…」
「へっ…?!う、嘘…!?見えてる!?」
「…、……今、見える所につけてしまった…ふふっ…可愛いな…」
「や、やだっ…何で意地悪するの…ふあ…っ…やぁ…っ…」
「夜…君の振る舞いを楽しみにしてるから…」
耳を甘噛みしながら、熱っぽく言われてしまう。
今からお仕事頑張ろうって気持ちだったのに…
顔が熱くて、ドキドキして堪らない。
若干突き飛ばすようにして、部屋を出た。
たまには、いってきますのちゅぅ位したかったのに!
慣れないロング丈で足がもつれない様に気をつけながら、いそいそと歩く。
集合場所へと来れば、同じく真新しいメイド服を着て、そわそわしている新人さん達。
誘いをかけてくれた給仕さんが、今年の研修監督だったらしい。
隣に立って、挨拶をする。
「皆さん、そろそろ時間ですから、始めますよ。お隣はこの王城で、近衛隊長補佐をしているミコさんです。」
「ミコ、ですっ。よ、よろしくお願いしますっ。」
「今日は公休日で王城には誰もいないから、一日体験を兼ねて彼女に案内をしてもらおうと考えたの。王城の事は何でも聞いてみて。」
「は、はいっ。シュネル様はどんなお方ですか!」
「シュネル様ですか?楽しい事が好きで優しくて思慮深い方ですよ。」
「では、近衛隊長様と騎士団長様の事も!」
「近衛隊長タイウィンさまは、凄く真面目な人で、とっても強いんです!騎士団長ローマンさまは、厳しくも厚く支えてくださる、とても頼りになる方です!」
「実際に見かける機会は少ないかもしれないわね。シュネル様もタイウィン様もローマン様もイケメンよ、根気よく頑張って。」
ザワザワと声が漏れる。
シュネル様もローマンさんもカッコイイけど…
た、タイウィンさまだけはダメですからねっ!
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