夢心地
「お腹すいちゃった?家まで遠いから、一旦そのパン食べて。着いたらまたご飯を用意するから!」
「あの…こんな私達に、話しかけてくださりありがとうございます…」
「ねぇ、君達は僕が王様になる人だって聞いて、どう思った?」
「とても驚きました。貴族という人でも、こんなにも優しい方がいるなんて、思ってませんでしたから。」
「しゅねるさまが次の王さまになるってすごいです!王さまのお友達って緊張しちゃうなぁ。」
「貴族の子は僕が王様になるって知ってるから、ちょっとでも偉くなろうと必死で面白くないんだ。」
「おともだちはいないの?」
「一人だけいるんだ、僕のお気に入りが。他は話も面白くない、遊びに付き合ってくれない子ばかりなんだ。」
「わたし、しゅねるさまと冒険したい!」
「あっ、良いね!それ!」

楽しげに話しているミコを見て、安心した。
これからは身分の違いで、きっと苦労することもあるだろう。
だけど、生きるのもやっとな生活よりは、何倍も良い。
そして、友達だと、兵士になれるのだと信じてくださるために。
その気持ちに応えるためにも、明日から剣の稽古だ!


シュネル様の生家は、とても大きくて綺麗で、使用人がたくさんいた。
温かくて美味しいご飯に感動してしまった。
シュネル様を見れば、何やら揉めている。
…どうやら独断したみたいで、それで揉めているらしい。
兵士が集まって、何やら話し合っている。
納得できる答えを貰えたようだ。

「よし、タイウィンは明日から僕の護衛ね!ミコは明日から僕の秘書だよ!」
「ただし、正式には我々の方から選抜した者との決闘で勝利をすれば、護衛に。国家入試試験に合格すれば、秘書になれる条件です。」
「分かりました、精一杯努力します。」
「わたしもたくさんお勉強します!」
「今日は家の案内とかしてあげるね!明日は僕の友達に会いに行こう!」

生まれて初めて、腹一杯までご飯を食べられたかもしれない。
今まで腹を空かせている事の方が多かったから、あまり量は食べられなかった。
けど、これから剣を握るためにも、たくさん食べて体をしっかりさせないといけない。
部屋を割り当てられ、服も新調を用意してもらい、フカフカのベッドへ寝転ぶ。
こんなにも幸せな事があって良いのだろうか…
もしかしたらこれは夢なのかもしれない。
明日起きたら、今までの生活に元通り…なんて。
3/10
prev  next