再スタート
それから毎日、毎日、ひたすらにがむしゃらに稽古を積み上げた。
たまにシュネル様が気分転換にと、遊びに誘ってくださったり…
そして、その成果を見せる時が来た。
しかし、私の重ねた努力は何の意味も無かった。
あの時、ローマン様が言った通り、兵士達は本気でシュネル様の話を聞いているわけではないようだ。
現実を突きつけられ、どこかでこうなると分かっていながらも、その無念さは重く…
そんな時、ローマン様の救いがどれだけ希望に満ちていたか。
その日からは、さらにもっと努力を積み重ねた。
冬になり、魔法調節があっても少し肌寒くなってきた日。
今度は入試試験が行われた。
ローマン様直々に教わっていたミコは果たして、合格できるのか…
受験に必要な書類を抱えて、不安ながらもどこか自信のある表情を見せた。
どうか、君には邪魔する人がいませんように。
出かけるのを見送れば、負けずに剣を握る。
時折重い物に苦労したくない使用人が、私に運ぶように命じる。
重い物ならいくらでも運ぼう。
筋肉は使えば使う程、強固なものになっていく。
試験から一週間後、合否結果の封筒が届いた。
一人で見るのはやはり怖いから、と集められた。
慎重にゆっくりと封を解き、『合否結果 ミコ 様』と書かれた紙を裏返す。
先日、行われた国家入試試験の結果について。
800点中765点 (594人/1位)
よって、特待人と認定する。以上。
「と、とんでもない結果だ…」
「これ…って……私が最高点…ってことですか?」
「あぁ、そうだ…俺ですらこんな点数は見たことがない…」
「ミコ…凄いな…!!!!合格、したんだな!!!!」
「…うん……うんっっっ!!!!やったよ!!!!」
一間遅れて喜びに満ちた。
飛びついてきた体をぎゅっと抱きしめる。
嬉しさのあまり涙を溢れさせている。
これでミコもここから追い出される理由はなくなった。
あとは、私が剣術大会に…ミコが国家特定資格試験に合格すれば…
そうしたら本当にシュネル様の家臣になれる。
だけど、今はこの喜びを分かちあって浸りたい。
「ねぇ、タウ。私もっと、もーっとたくさんお勉強して、タウの隣に立っても恥ずかしくない人になるね!」
「私も…シュネル様と君を立派に守り抜く、強固な剣になると誓うよ。」
「ミコの勉強会も終わりだな。これで俺自身の学が再会できる…」
「ローマンさま、ありがとうございましたっ。」
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