意地悪に
酷く落ち込んで、今にも屋敷を飛び出してしまいそうな程悲嘆している。
あぁ…何でこんなことに…
タイウィンを見れば、何事も無かったかのようにお菓子を食べていた。
恐る恐る近づいて、話を聞いてみる。

「ね、ねぇ…タイウィン…」
「…!シュネル様?」
「ミコからの告白ビックリしたでしょ?」
「あはは…えぇ、驚きましたよ。ですから、私からも驚きを、と思いまして。」
「え…?」
「実は…ミコがシュネル様に相談している話を聞いていたんです。ですから、どのようなサプライズ告白を考えてくれるのだろうか、と楽しみにしていたんですよ。」
「そ、そうだったんだね……でも…断るだなんて、あまりにも…」
「ふふ…泣きそうな顔、とても可愛かったですよ…もっと虐めたくなって仕方ないです。」
「…!!」

いくらなんでもドッキリの仕返しにあんな態度を…
と思う僕が、間違いなのだろうか…?
……ううん、好きな子を泣かして、喜ぶなんて絶対違う…
タイウィンの考えと僕の考えは、恐ろしい程かけ離れている。
好きな子はいじめたい、って言うけど…これは、揶揄いと呼ぶより…
居心地が悪くて、とりあえずミコを追いかけることにした。
廊下で蹲って泣いている姿がすぐ見つかる。

「ミコ、泣かないで…大丈夫…大丈夫だよ…」
「ヒック……ぐすっ…しゅねる…さまぁ…っ…」
「あのね、タイウィンのあの返事は、ドッキリのお返しだって。だからね、告白は間違えてなかったんだよ?」
「どっ…きり…?」
「うん、僕達の話を聞いてたらしくてね。それで、思いついたドッキリを仕掛けただけだって。」
「そ……なんですね……っ……よかった…」

断られた悲しみを抱えながらも、安心したようで笑みを浮かべた。
あまりにも可哀想だ……タイウィンはこんな様子を可愛いって言うの…?
分からない…彼の考えが、本当に分からない。
まだ涙が零れていくのを拭ってあげる。
ドッキリだと分かっても、やはり言葉は心に残ってしまったようだ。
ガチャリと扉が開く音に振り向けば、タイウィンも様子を見に来たらしい。
僕の隣に静かに座って、頭を撫でる。

「からかってすまなかったな。でも、告白は嬉しかったぞ。」
「うん……まだちょっと…落ち着かない、だけ…だから。」
「泣き虫なミコも可愛いぞ。さっきのお菓子も美味かった、ありがとうな。」
「…よ、よろこんで…くれたなら…わたしもうれしい…よ…っ。」
3/7
prev  next