他には
ローマンさんと一緒に大きな図書館へとやってきた。
少しだけ魔法のお勉強をするために、連れてきてもらったのだ。
目眩がするほどの本の数に圧倒されてしまう。
初日は魔法を扱うための基礎を習って、型の練習をさっそく始める。
詠唱しながら神経を手の先に集中させるのは、見た目以上に難しい。
それでもなんとか一日で、小さな魔法が実現できた。
帰ろうとした時、図書館を出ると一人の女の子に出会った。
聞けばローマンさんのお姉さんらしい。
私が来ると聞いて、遊びに来たと言う。

「もう、リシャ!危ないだろう!」
「ふふふ!ごめんなさい!でも私も会ってみたかったの!」
「シュネルさま…?タウも?」
「…!ローマンと一緒に勉強してたのか?」
「魔法のお勉強を今日から少しだけすることになったの!」
「へぇ!すごいわね!どんな感じだった?」
「とにかく疲れちゃいましたっ。」
「ねぇねぇ、あなたの名前教えて?私はリシャ。」
「私はミコです、シュネルさまのひしょさんになるんです!」
「まぁっ!応援してるわ!」
「ありがとうございます!」

ぎゅぅっと抱きしめられると、ふわりといい匂いがした。
わ、私も変な匂いしてないかな?大丈夫かな?
遅い時間だから少しお話をして、リシャさんはお屋敷に帰ってしまった。
お見送りにシュネルさまとタウも付いて行った。

「騒がしいやつだろ?ミコが女の子なのもあるかもしれないけど。」
「ローマンさんと違って、ニコニコしてましたね!」
「ぶっきらぼうで悪かったな…」
「リシャさんとも、もっとお友達になれますか?」
「なれると思うぞ。シュネルと仲が良いからな。そのうちまた会えるさ。」


夜に今日の復習をして、一息つく。
もっと魔法を上手に使えるようになって、お役に立ちたい!
普段より疲れてしまって、椅子でうとうとしているとノックの音が響いた。
扉を開けば、夜の練習をしてきた様子のタウが立っていた。
黙ったまま、部屋の中に入ってくる。
昨日の怒った様子を思い出して、とても怖くなってしまう。
何を言われるのかと身構えていると、ぎゅっと抱きしめられた。
思いがけないことに、体が固まる。

「リシャ嬢にこうやって抱きしめられていたからな…」
「お、女の子だから…普通だと思うけど…」
「誰であろうと君に触っていいのは、私だけなんだ…っ!!」
「う……う"っっ……く……っっ…しい…!」
「…すまない……とにかく私以外の匂いをつけるな、良いな?」
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