2つ目
このままじゃただのいい子で終わってしまう…!
だめだ…!早く本当のことを言わないと…!!
ええい!女の子同士!何も恐れることは…!

「あ、あの!セシリア様!」
「はい?」
「先程は失礼しました!」
「…?ごめんなさい、何のことですか?」
「あの…その…無礼にもセシリア様を凝視してしまい…」
「…………あぁ、眺めていたことですか。気にしていませんよ。見られることには慣れてるので。」
「実は…その……セシリア様の……豊満なお体に見蕩れていました…」
「……あぁ、胸…そんなに大きいでしょうか…」
「恐れ多くも自身と比べ、杞憂していたのです…」
「目立つ格好をしているから余計大きく見えてるだけかと。貴女とそう変わりませんよ。」
「………」
「恥ずかしいことじゃないです、とても可愛らしい乙女心ですね。殿方でもいるのかしら?」
「へっ…?!え、えっと……」
「もしかしてタイウィンさんだったりしないかしら?」
「な、何で分かったんですか…?!そんなに顔に出てましたか…?!」
「あら、当たりですか?よくタイウィンさんも見てたのは、仕事上だけだと思ってましたが…そうでしたか!」
「…?!!」

クスクスと笑うセシリア様。
もしかして、からかわれた?!

「セ、セシリア様、意地悪はおやめください…」
「あら、顔が真っ赤…可愛い子。」
「セシリア様…!」
「ふふふ、ごめんなさい。でも、気にする必要はないですよ。きっとタイウィンさんも女性は貴女にしか興味無いと思うから。」
「………」
「そうね…男は胸の大きな女性が好き、とはよく聞きます。でも、あまり大きくても負担になるだけですから。」
「……」
「彼に直接聞いてみるのも良いかと。私は比べられても気にしないので。」
「そ、それは……恥ずかしいです…」
「では、私から告げておきましょうか?ふふ。」
「セシリア様っっ!」

すっかり気に入られてしまったのか、からかわれてばかり。
でも、こんなに楽しくお話できるだなんて思ってもみなかった。

「あの…セシリア様…今回はありがとうございます…」
「こちらこそ、貴女と話ができて良かったです。またお話してくださいますか?」
「はい!ぜひ!問題が落ち着いた際はもっとセシリア様のお話、聞かせてください!」
「えぇ、もちろん。今度は友人も連れていきますね。約束ですよ?」
「はい!楽しみにしてます!」

私より少し小柄な彼女と小指を絡め合う。
気分転換ができたのなら、良いのだけど…
あと彼に少し伝えておきましょうか。
貴方の補佐さんをもっと可愛がってあげなさいって。
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