今年もこの季節が来たか…
国内外から数多の応募が募るレファンドス騎士団の入団試験。
今年も相変わらず、筆記試験を受けた人数は数え切れないほどだった。
しかし、筆記試験を受けた中でも上位30%。
そしてそこから実技訓練に入り、特訓を乗り越えた10%。
最後に対戦試験を受け合格した者のみが、入団を許される。
近衛隊長という身になってから、この時期がますます楽しみになっていた。
各々指標を持った者達が、己を磨く為に門を叩く彼らの背中を見ると、昔の自分を思い出す。
そして彼らの未来を想うと、とても希望を持てるのだ。

「タイウィン様、今日はこっそり訓練所を覗きに行けましたか?」
「あぁ、ミコ。行ったぞ…今から共に並べる日が楽しみなんだ。」
「ふふ、タウも昔はあの場にいて一生懸命頑張ってたんだよね?」
「そうだぞ?もう随分昔の話になってしまうが。」
「今じゃ試験官の立場だもんね!今のお気持ちはいかがですかっ?」
「からかわないでくれ…そうだな、今年も未来を託せる有望な者が現れると嬉しい。」

噂を聞いたが、今年はウェンテンベルクから試験を受けに来た龍騎士の方がいるらしい。
その話に興味があって、是非とも見学したかったのだ。
今日は少し時間に余裕があり、見に行くことが叶った。
彼女の姿はすぐに分かった。
誰よりも人一倍努力している姿は、とても目が惹かれた。
同時にあのように努力していた自身の姿を重ねて、懐かしい気分になった。
彼女はきっと最終試験も受かるだろう。

「君は今年の受験生に龍騎士がいることを知っているか?」
「ウェンテンベルクの?初めて聞いた!」
「あぁ、そうだ。その人が気になっていたから、訓練所の様子を見たかったんだ。」
「どうだった?現役龍騎士なら試験も簡単に受かりそうって思うけど…」
「現役だからと言って簡単というわけでもない。だが、彼女はきっと受かると感じた。」
「騎士の直感?」
「クスッ…そうだな。観察眼があるかどうかは分からないが…」
「今年の最終試験は誰が担当する予定なの?」
「私が直接相手をしようと思っている。」
「…!私も騎士試験受けてみようかな〜」
「…厳しい訓練に耐えられるのか?」
「私の訓練指導は…タイウィン様直々が良いな…っ?」
「…ふっ…とても贅沢な受験生だな。あぁ、良いよ。だが、すぐに音を上げてはいけないぞ?」
1/5
prev  next