デート日和
雑誌で話題になっていた屋上テラス付レストランへ。
今日は天候も良く、街も大いに賑わっている。
近くではイベントが開催されているのか、華やかさが一層増していた。
ドレスコードを求められないかつ、高評価なレストランを探すのはなかなか難しい。
そもそもレストランは、貴族側をターゲットにしている事が多い。
庶民が利用出来るのは精々カフェくらいだ。
しかし、ここのオーナーが成り上がり系らしく、庶民でも楽しめる店を立ち上げたとの事。
まさしく言葉の通り、周りも庶民達の憩いの場となっていた。

「噂通り、素晴らしい景色に親しみやすい店だな。」
「この建物の造りも珍しいな。レファンドスだからこそのデザインだろうな。」
「あ、ねぇねぇ。あの角の席が空いてるみたいだよっ。」
「先着順か…まぁ、俺達は優先される立場か?」
「ごほん…私達はどうにも目立つからな…」
「タウ?どうしたの?」
「「いや、何でもない。」」

俺も銀色も顔を広く知られている。
そこに補佐であるミコまでいる。
そして、仲睦まじく食事に来た。
…なんて、そんな光景を見れば、誰でも視線を奪われてしまうだろう。
女性陣の視線が背中に刺さる。
男共がミコに釘付けなのが分かる。
そんな事に気づいていないのか、暖気にメニューを眺めている。

「んー…せっかくだから3人で食べられる物ないかなぁ…」
「…甘い物は良いのか?」
「パンケーキにパフェ…美味しそうだよねぇ…っ?」
「ミコが食べたいものを頼めば良い。」
「でもタウは…?」
「私は君と同じものを食べるよ。」
「俺も同じ物を食うさ。」
「じゃあ…うーん…この鮭の蒸し焼きでも良いかな…?」
「へぇ…ミコでも作れそうな物だな。」
「うんっ、材料確認して作ってみようかなぁって。」

鮭とアサリの蒸し焼きとロールパン、本日限定の特盛パフェ。
飲み物はそれぞれ好みのものを。
料理が好きなのか、よく店の気になるメニューを模倣するのは可愛らしい。
俺はお前が作る物なら、何でも美味いし、何でも食べるぞ。
愛情満載の手料理を振る舞う嫁、愛しき存在の幸せを噛み締めないとな。
運ばれてきた料理は、市場で買いやすい材料で作られていた。
あぁ、これはきっと手料理候補に入るだろうな。
トマトベースにスパイシーな味は、なかなか美味いものだった。
味も悪くないとなれば、人気になるのも頷ける。
庶民に紛れて、景色の良い特等席での食事を堪能した…
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