企み
王城の窓から外を眺める。
この国内は魔法で統制されているおかげで、真冬でも暖かく雪とは無縁だ。
しかし、一歩範囲から出てしまえば、一面銀世界。
遠くの雪景色になった山々をぼーっと眺める。
年末ともあり、王城はいつもよりもっと忙しい。
年始でのお祭り開催に対する準備もあって、色んな方面からの報告をまとめるのも一苦労だ。
「ねぇねぇ、もうすぐ年が明けるでしょう?そうしたら新年のお祭りがあるよね?」
「あぁ、そうだな。それで?」
「今年はさ、エダさんとエルバレンを誘ってお祭りを楽しめないかなぁって。」
「…!それはとっても良いですね!」
「でも……エルバレンからは相変わらず返事無しでしょう?」
「でも…きっと来てくれると思いますよ?」
「そうかなぁ…自信無いなぁ…」
「おい……俺はまだ行っても良いなんて言ってないぞ。」
「えぇっ!?」
昼食の時間にシュネル様が新年のお祭りに行きたいと暴露した。
うーん、まぁ確かにローマンさんが心配するのも分かる。
だって、仕事がまだまだこれから山積みになるのにシュネル様の成果は……
…………
いやいや、シュネル様もいざと言う時はやるお方だし!
とりあえずこの1週間、今よりも成果を出してたら許可を出す、という救済が与えられた。
もちろん、何度も頷いて張り切るシュネル様に、私も少し心配になってきた……
そうして1週間後。
見事にシュネル様は普段の2倍よく働いた。
これにはローマンさんも驚き、ぼやくしかなかった。
「ね?良いでしょ?明日、エルバレンに手紙を出すよ。」
「はぁ……そういう約束だしな…」
「エダ様には私から話を通しておきましょう。」
「タイウィンもありがとう、じゃあお願いするね。」
「本当にシュネル様って……凄いですよね…」
「見直しちゃった?」
「普段からこれくらい働いてたら苦労しないんだがな。」
うーん……私もローマンさんと同意見かも。
やれるなら普段からやってくださいよ!!
なら、シュネル様のスケジュールも整理しないと…
元から予定は空けてるけど、やっぱり再調整は必要かも…
警護の方だって、二人も国家主席が遊ぶとなれば普通の人数では足りないはず。
はぁ…これは二人で頭を痛めちゃうかも…?
それでも文句は無い…かな。
お祭りをキッカケにシュネル様とエルバレン様が仲直り出来たら良いし…
それにシュネル様もこの1年頑張ってたもの。
こういう機会にご褒美として遊びに行かせても良いんじゃないかな。
きっと、みんな同じ考えかもしれない。
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