臨む日
十数日が経ち、明日は最終試験日が訪れた。

「遂に明日、だよね?」
「君まで緊張する必要はないだろう?」
「えへへ、だって…タウが試験官になるなんて、あんまり無いから…」
「確かにそうだな…なかなかスケジュールが合わず、部下に代理を頼む事もあるからな…」
「私もタウが試験官として相手をしているところを見学できるんだよね…!」
「ちゃんと、補佐の仕事を忘れずにな。」

ソワソワとしてなかなか寝付けない君の頭を撫でて落ち着かせる。
明日は今日の試験まで通り抜けた人達全員と剣を打ち合う事になる。
一人一人、その覚悟の重みや理由は違うが…誰もが素晴らしいと知っている。
私もその意志を尊重した戦いをお見せできれば良いのだが…


しっかりと夜は眠り、いつもの様に朝練をこなし、シャワーを浴びる。
風呂場から出れば、アラームに起こされた君がもぞもぞと眠そうにしている。

「くす…おはよう、随分と眠たそうだ。」
「んー……今日は試験日だよね……はふ…ご飯用意するね…」
「寝ぼけたままは危ないぞ…」

手を握って一緒にキッチンに立つ。
今日の朝飯はミートソースをパンに詰めて焼き、スクランブルエッグを作る。
眠気覚ましのカフェオレを注ぎ、テーブルに並べる。
まだ少し眠たげな君の頬にキスを落とし、頭を撫でる。

「早く起きないと、私に何をされるか分からないぞ…?」
「むぅ…タウのえっち……用意手伝ってくれてありがとう…」
「さあ、しっかり食べて試験の準備をしないとな。」
「ん、いただきますっ。」

ゆっくりと朝食を味わい、腹を満たし朝から満ち足りる。
鎧を装着し、改めて剣の状態をじっくりと確認したところで、君も用意ができたようだ。
手を繋ぎ、戸締りをして城内へ向かう。

「そういえば、今日の私は何をしたらいい?いつもと同じ?」
「あぁ、いつもと同じく私の体感をメモしておいてくれ。結果を参考する際に全員を覚えておくのは難しいからな…」
「分かった、後は何かある?」
「そうだな……ローマンからも言われる事もあると思うし、私からはそれだけだな。」
「そっか…ふふ、近衛隊長様、今日は頑張ってくださいね♡」

君からの可愛らしい笑みとエールに今日も一日頑張れそうだ。
ミコは本当に…自覚があるのか、分からないが、いつもいつも、私を癒してくれる。
もっと癒しを求めて抱きしめると、困ったように唸られた。
終わったらまた癒しを貰わねばな。
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