代表者
「レファンドス王室の近衛隊長、タイウィン。最終試験に辿り着いた皆さんの努力を称え、歓迎します。」
城内の広間に集まった将来の仲間になるかもしれない人達を見る。
歓迎の気持ちももちろん、こうして待機している間も試験の一部なのだ。
ローマンさんと一緒に受験生達をじっくりと観察する。
欠伸やコソコソ話、よそ見も減点対象だ。
朝早くて眠いのは分かるけれど、ちゃんと気を引き締めていかなきゃね。
挨拶が終わると順番に1対1での実技試験が始まる。
タイウィン様はいつも剣気を用いた遠近戦法を用いるが、この王城ではそれを封じるらしい。
剣を持ったまま、相手の斬り込みを軽々と避けていく。
一度相手のターンが終わると、すかさず重く正確に振り下ろしていく。
相手が動きに慣れる前に予想外の角度からの攻撃が行われ、誰もがたじろいでいた。
これまでずっと訓練を積み重ねて、たくさん努力してきたはずの受験生達全員が翻弄され疲れきってしまうなんて…
それに比べてタイウィン様は息一つ乱れていない。
やっぱり、凄い…な…
相手をする毎に伝えられた事をメモしていく。
これがあの人達の運命を決めるんだもんね…
順調に試験が終わり、昼からは通常業務に戻った。
これから試験結果を元に会議が行われる。
先程まで十何人と戦ったとは思えない程、涼しい顔をしているタウがいて、顔を凝視してしまった。
「な、何か付いているのか…?」
「え、あ、い、いや……やっぱりタウって強いんだなぁ…って…」
「お前、いつもそればっかりだな。タイウィン、お前ナメられてるんじゃないか?」
「そ、そういうわけでは…!た、ただ…実戦を間近でゆっくり見る事ってあまり無いし…」
「くす…ありがとう。これ位は鍛錬の延長くらいだと思っている。努力をやめてしまえば、それまでだからな。」
「さて、さっそくだが、どいつを落とすかだな。」
「ローマンさんも相変わらずっ。じゃあまずは、軍隊的にはどの人があまり合っていないと感じた?」
国家騎士になる為には、実力だけではなくその人自身の気質も重視される。
あまり団体行動の考えに合わない人は、どれだけ強くても試験で落とされる。
二人にしか分からない人選会議を楽しみながら聞く。
最終的な不合格者が決まり、次は配置。
と、なったところで真っ先にタウがとある人を指さした。
それは噂されていた龍騎士出身の少女だった。
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