被害1-2
気を取り直して洞窟へと隊を進める。
目的地に近づくほど、時空の裂け目の影響からか、不気味に感じる。
と、前方に突然分かれ道が現れた。
どちらに進むべきか、相談する。

「こんな道…確かに行く前に確認したけど…あった記憶がないですよ…?」
「ふむ……では、これも時空の裂け目の影響か…」
「うーん……道の続き方からしてこちら側だと思います。」

そうして一歩を踏み出した時…
ビリィッッ!

「へ………っ…?」
「おぉぉ…ッッッ!」

ミコのスカートの後ろの裾が、勢いよく破れ去った。
辺りを見渡せば犯人のシルバを確認した。
一番近くにいた者に指示を出す。

「な…なんでぇ………」

盛大に破れてしまったことにより、座り込んでしまった。
何やら今日のミコには、悪いことばかりが起こっている。

「うぅ……同じものがあるとは言っても、これはさすがに凹んじゃう…」
「戻るか…?」
「…!いいえ、最後までやり遂げます!」

課されたことは最後までやり遂げる彼女の姿には、いつも感心するが…
こうなったら一刻も早く任務を終わらせなければ…
後ろを気にしながらも前に進むミコに着いていく。
ようやく洞窟の入口が見えた。

「ここですね…さぁ、ぱぱっと終わらせちゃいましょう!」

暗闇の中に灯りを灯して突入する。
すると、前方から何やら光が一瞬見えた。
かと思えば

「はうっっ…!!!」
「ミコ?!」
「お、おのれぇ!アンノウン!許さんぞ!!!」

あの攻撃は…アステスターによるものか?
倒れるのを咄嗟に抱きとめる。
顔を覗き込めば気絶してしまっていた。
暗闇に慣れてきた目で、今いる場所は広場のような所でいくつもの分かれ道がある事を知る。
アンノウン達が近づいてくるが…安地がない。
仕方ない…抱えたまま剣を振るうしかない。
軌道が安定しない剣気を放ちながら、アンノウンを殲滅させていく。
暫くすると気がついたのか唸り声をあげながら、目を覚ました。

「………っ!ご、ごめんなさい!私も加勢します!」
「気がついて良かった…よし、あちら側を片付けるぞ!」

制覇ルートを一点に絞り、その道へと身を投じる。
軍団で押しかけるアンノウンを剣気で吹き飛ばし、それを矢で貫いていく。
あっという間に終点につき、全ての魔物を倒しきった。
ちょうど時空の裂け目もあったのを閉じ、仲間と合流する。
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