一進
昼休憩でミコが用意したバーガーを頬張る。
うん、美味い、活力が湧いてくる。

「次は脱出ゲームかぁ…暗い所だったら嫌だなぁ…」
「推理系だからお題を解く位だとは思うぞ。」
「うーん……またタウに頼りっぱなしになりそう…」
「あはは、それでも構わないぞ。ただ、何かがあって離れてしまう事だけは避けたいな。」
「だ、大丈夫!ちゃんと着いていくから!あ、もう一個いる?戦うからって思って余分に作ったの。」
「そっか、あぁ、食べるぞ。残すなんて勿体ないし。」
「タウって案外大食いだよね。体が大きいから?」
「うぅん…それもあるかもしれないが…君のご飯が好きだから、つい食べ過ぎて…」
「えっ、えぇ!?そ、そんな無理して食べなくて良いんだよ?!」
「無理なんてしてないぞ?いつの間にか食べられる量が増えただけだから。」

あまり納得できていない様子で、また一口入れる。
幸せ太りという言葉を思い出した。
今は運動量の方が圧倒的に多いから、いくら食べても大丈夫だが…
何もしていない身だったら、見事に達磨な体になっていたんだろうな…

集合時間になり、再び会場へと戻る。
紙を渡され、屋敷内へと案内された。
背後で静かに鍵をかけられる。
広いフロントの真ん中に何やらもう一枚紙が置かれていた。
近づいて手にとれば、この先の岐路選択が書かれていた。

「皆さん、どうしますか。我々は残ったもので良いので、決めていただきたい。」
「フンッ、俺は真ん中だ。先に行かせてもらうぞ。」
「そうですねー…私達は一番右側を。では、健闘を祈ってます。」

早々とそれぞれの道へと消えていった2ペアを見送る。

「ミコ、どうしようか…左か上どっちに行く?」
「うーん………二階って面白そう、上にしよ!」
「分かった、よし…優勝目指して頑張ろうか。」

大きく頷いた彼女の手を握って階段を上がる。
廊下に示された矢印を辿って最初の部屋へと入る。
密室ともあり緊張感が、恐怖を呼び寄せる。
最終目的は入ってきた扉の鍵を見つけて出ること。
それまでに謎や仕掛けが施されている。
慎重に進みながら、まず一つ目の謎解きを始めた…


「…なかなかに難しいが……」
「色んな本をたくさん読んでいた甲斐があったね!」
「そうだな、躓きが少なかったから…魔術ペアにも追いつけてるかもしれない。」
「最後の問題を解いて早く出よ!それから悪事の証拠も手に入れちゃおう!」
「あぁ、本来の目的忘れてなかったんだな。」
「む…楽しんでるけど、ちゃんと覚えてるっ。」
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