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「金吾さん、こうしてみるとやっぱり剣豪の方なんですね」

翌日、さくらと金吾は堺へ向かいようやくたどり着いたときは昼前。近くの茶屋で足休めをしているとふとさくらが金吾にそういった。

「そうだよ。僕の父も武士でね。昔から剣術を習ってたんだ。忍者を目指してからも、師範にずっと剣の稽古をしてもらってたよ」
「剣術、好きなんですか?」

もちろん、と金吾を即答する。彼の瞳は少年のようにキラキラしていた。

「剣を振ってる間が一番楽しいんだ。師範には剣以外のことも考えろって怒られるけどね」
「剣以外のことかぁ・・・例えば?」
「親の事とか・・・将来の事とか?」

そういう彼自信、あまりぴんと来てないようでむしろこれでいいの?というようにさくらに聞いてきた。

「将来・・・素敵な方と出会って、家庭をもつとか?」
「あぁ、よく言われるよ・・・そうだ、家庭っていえば、庄左ヱ門のことなんだけど−」

金吾がなにかいいかけた時、あぁ!と声がした。顔を上げると、ふくよかな身なりの良い男性が金吾の元へ寄ってきた。

「きんごーー!」
「しんべヱ!」

茶屋での偶然の出会いに喜ぶ二人。どうやら二人は仲の良い友人同士らしい。ひとしきり喜びあって、金吾はさくらにしんべヱとよばれた男性を紹介する。

「ごめん。彼は福富しんべヱ。僕の学園時代の友達なんだ。福富屋の主人をしてるんだよ」
「福富屋・・・え?あの福富屋の?」

それは椿亭で間宮に頼まれたビスコイトの仕入れ先の名前だ。金吾の友人だったのか。さくらはしんべヱに頭を下げた。

「椿亭で働いてますさくらです。しんべヱさん、間宮がいつもお世話になっています」
「いいんだよ〜!間宮さんはパパとも仲が良いからよく知ってるんだ。話は聞いてるよ。ビスコイトを取りにこられたんですよね。まさか金吾もいるなんて・・・驚いたよ〜」

しんべヱは人懐っこい笑顔を浮かべる。のほほんとした雰囲気に、初対面なのにとても安心してしまう。

「あはは。色々訳があってさ。これから福富屋にいくんだけど、いい?」
「もちろんだよ!ビスコイトたくさん持っていって!」

その前に僕もお茶、と金吾の隣に座るしんべヱ。と彼の頼んだ団子はなんと50本。予想を上回る大食漢だった。


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