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「ビスコイト、おまけでたくさんいただいちゃいましたね」
福富屋で用事を済ませ、二人は店を出る。風呂敷にはビスコイトやその他南蛮菓子がたくさん。おまけで、としんべヱが用意してくれたのだ。
「そうだね。あとは頼まれた細かい買い物を終わらせて・・・」
そう言いかけて金吾は息を飲む。そうしてさくらの手首をやんわり引き寄せ、町の通りの店の影に隠れる。
「まさか・・・ここまで来るなんて」
「ここまでって、あ、金吾さんをつけてる人?」
「うん・・・。さくらさん、僕といたら危ない。別行動をとろう。君は来たときの茶屋で待ってて。僕は奴を撒くから」
さくらは黙って頷く。自分がどうにか出来ることではない。金吾に気をつけてください、と伝えるとにこりと笑って「大丈夫!また会おう」と言って走って人混みに消えていった。
「さて、買い物を済ませて、茶屋で待っておこう」
心配をしていても変わらない。不安だが仕事はしなくては。そうして足を一歩前に出したとき、後ろから声がした。
「お嬢さん・・・こっちに来てください」
「誰ですか・・・?もしかして、金吾さんをつけてる人ですか?」
「・・・はい。大人しく、こちらへ来てください。手荒なことはいたしませんので」
そうして暗闇から出てきたのは武士の身なりをした貫禄のある男性。やはり腰に刀をさしている。
「突然すみません。しかし、あなたにどうしても来てもらいたいのです」
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