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なんだかんだで買い物も済ませ、金吾をつけていたものの正体もわかり、解決した。
「では、今後とも金吾をよろしくお願いいたします。さくらさん」
武衛はどこか勘違いをしたままだが、安心した様子で一人で相模へ帰ってしまった。
金吾は最後まで誤解を解こうとしたが、それはかなわなかったようだ。
椿亭のある京に着いた時には日も暮れていた。間宮にビスコイトや頼まれていたものを渡す。
「いやぁ!ありがとう。福富屋の人たちは元気そうだったかい?」
「ええ、とても気の良いお方ばかりでした」
「そうか。これでうちも茶屋が盛り上がるよ。急いで用意しないと!」
そういっていそいそと厨房へ向かう。あぁ、と彼は振り返った。
「庄左ヱ門さんが、中でお待ちしてますよ。あなた方をずいぶん心配していました。はやく会ってあげてください」
「庄左ヱ門、きてたのか」
足早に人のいなくなった椿亭の食事処に向かう。がらんとした席の一つに、庄左ヱ門は座っていた。そして二人を見るや、笑顔をみせた。
「よかった!無事に帰ってきて」「ごめん、心配してくれたんだ」「金吾が遣いにいってから奴の気配が消えたから、もう気になって。仕事どころじゃなかったよ。僕も行けばよかった」
あはは、とさくらと金吾は笑う。深刻そうにしていた庄左ヱ門は二人の様子にどうしたの?と不思議そうだ。
「実はね、気配の正体は僕の父だったんだ」
「金吾のお父上??そりゃまたなんで…」
「それは恥ずかしくていえない!ただの過保護だし」
「なんだよ、気になるなあ」
正体を知って安心した庄左ヱ門。じゃあ問題は解決したんだね、と落ち着いた様子で金吾に言った。
「うん。・・・でも椿亭で働いてると本当に忍者宿だって思ったよ。おかげで色んな情報を聞けた。まさに忍者のネットワークだね」
「忍者のネットワーク…?」
「これからどうするの?金吾はまだ仕事があるんだろ?」
庄左ヱ門は聞きなれない言葉をさらりと流し、金吾に何げなく聞く。彼は忍者の仕事の最中なのだ。さくらはこの数週間金吾と一緒に仕事をしていたので、そのことをすっかり忘れていたのだった。そうすると、十分に情報を集めた彼は椿亭にはもう長くいれないのだ。
「金吾さん、女中さんに大人気だったのに…残念」
「そっち!?まぁ、いい人ばかりでとっても居心地はよかったよ。次は必ず泊まるから」
初めて会ったときは少し怖かったと思っていたさくらも、もうすっかり金吾と仲良くなっていた。
椿亭を去ってしまうのは寂しいが、ここは忍者宿。きっとそのうちまた来てくれるだろう。
「さくらさんって忍者と仲良くなれる素質があるのかも」
庄左ヱ門はふとそんなことを言う。そうかも、と金吾もすぐに同意した。
「君って本当に隙だらけだからなぁ。裏がないっていうか。だからかもね」
「それって褒めてるんでしょうか?」
金吾と庄左ヱ門はそれは…と目をそらす。だれもフォローをいれてくれないあたりを察したさくらは落ち込んだ。
だからさ、と金吾は庄左ヱ門に肩をよせにっこり笑った。
「庄左ヱ門が君を守ってくれるからさ!大丈夫だって!」
「いきなりだなぁ。でも椿亭が忍者宿になった以上、僕も責任をもってさくらさんを見守っていかなきゃとは思うけどね」
「おっさすが学級委員長」「それは忍たまのころの話だろ」
さくらをさしおき二人は楽しそうに笑いながら椿亭を出ていった。置いて行かれたさくらいったいなんだったんだと苦笑いした。
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