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先ほどまでの事を女将に話す。すると女将はまぁ、と口元を隠して驚いていた。

「それはきっと狐に化かされたのよ」

さくらは夢のようだった、と思う。しかし手には感触があったのだ。それが益々彼女を恐怖させた。

「気になるなら明日黒木屋さんに聞いてみたら?」
「黒木屋さんに・・・」

さくらは考えてしまう。もし、あの人が本当に庄左ヱ門ならば・・・言われた言葉が言葉だけに、どういう風に接して良いか、わからない。

"君を愛してるから・・・ずっと、一緒にいたいんだ・・・"

思い出して、今さら顔が赤くなる。告白を越えてプロポーズではないか?いやいやそもそも夢であってほしい。あれは夢のはずなのだ。

「はぁ、私疲れちゃったのかも」

こんな目に会うほど自分は疲れているのだ。ちょうど明日は休みだし、今日はもう休んで明日1日ゆっくりしよう。さくらはそれ以上考えるのをやめた。

「女将さん。私もう休みますね」
「そうだね。その方がいいわ。あとは私が間宮さまにいっておくから、部屋に戻っていいわよ」

女将の気遣いに甘え、さくらは自室へと戻る。しかし、考えようとしなくても、またすぐに白浪神社で出会った庄左ヱ門を思い出してしまう。この度に彼女は胸をざわつかせるのだった。



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