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「ほかの城もこの寺がどんな存在なのか。団蔵と同じように警戒しているみたいなんだ。最近妙な人がこの通りを頻繁に通ったりするし」
「すでに仁地寺の情報を握っている所もあるんだ。しかも奴らはここに病院ができるのを目障りに思っているっぽいよ」
何日か前からいる乱太郎と庄左ヱ門はすでに情報をつかんでいた。
この辺りは色んな戦があちこちで起こっている。その間にこの仁地寺ができてしまうと、動きにくく敵も減りにくい。
それを阻止するために仁地寺の建築を阻害しようと動いている城もあるという事らしい。
「でもなんで乱太郎と庄左ヱ門がここに呼ばれたの?」
団蔵の問いに乱太郎は恥ずかしそうに答える。
「金楽寺の和尚さんに紹介されて…私、いま忍者の仕事がなくて農家やってばかりだし。それに薬草の知識もあるってことで助っ人で呼ばれたんだ。庄ちゃんは…」
「僕はこの辺りの町に住んでて地形に詳しいから。あと自分だけじゃ心配ってことで乱太郎に頼まれて来た」「というわけです」
でも…と庄左ヱ門の表情は固い。彼はじろりと団蔵を見た。
「敵忍者も潜む危険なところに一般人の女性を巻き込むなんて…団蔵何考えてるんだ?」
「悪い…そんな深刻な内容とは思わずだな…」
「さすがにさくらさんをこんな危ないところにいさせるわけには行かないよ。来てもらって悪いけど事情が事情だし、関わらないほうがいい」
庄左ヱ門はそう言い、さくらを返そうとするが、彼女はその場を動こうとしなかった。この仁地寺の話を聞いて、さくらの気持ちは大きく動いた。
待ってください、と彼女は真剣な表情で言った。
「傷ついた人や…家族を亡くした人も、このお寺で救われるかもしれないんですよね?だったら、絶対に仁地寺はあるべきだと思います。他人事とは思いたくないから…私もお手伝いさせてもらえませんか?お願いします」
過去に彼女は椿悟朗に助けられた。それは彼の人を救いたいという思いがあったからこそ、自分はこうして生きていられるのだ。
仁地寺も同じことをしようとしている、だからこそ自分が、危険だから、怖いからという理由で、知らぬふりして帰ることなどできない。
「さくらさん!立派!」
「言うじゃんか。俺も協力するよ!」
乱太郎と団蔵が彼女の心意気に感動している中、庄左ヱ門はそれでも固い表情を崩さなかった。
「ダメだよ!君にもし怪我でもさせたら間宮さんに申し訳が立たないし…」
ふっと彼は最悪の事を想像して顔を青ざめた。
「僕だって…つらいよ」
その様子にハッとした乱太郎と団蔵。急に二人はこそこそと話し始めた。
さくらは心配をしてくれる庄左ヱ門の気持ちを知ってでも、退くことをしない。
「それは皆さんも同じです。無理はしませんから!」
「そうさくらさんも言ってるし、できるだけこのお寺の中にいてもらって、安全な中で仁地寺を開くために協力してもらおうよ。なにしろ人手が足りないわけだし」
「なんかあったら、俺たちや庄左ヱ門が守ればいいんだからさ!」
乱太郎と団蔵も彼女が協力することに賛成のようだ。庄左ヱ門はとても悩んでいたが、何よりさくらの気持ちを察し、彼はしぶしぶ頷いた。
「わかった。じゃあ団蔵とさくらさんも協力してもらうよ」
そうして庄左エ門は一枚の紙と筆を取り出し皆を集めた。
「これから作戦会議を行う!みんな集まって…」
「よぉーし、なんかわくわくしてきたぜ」
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