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まだ朝日も昇らぬ早朝。底冷えするような風がさっと吹いてくる。
さくらはすでに起きていたがこの寺の中では彼女は一番遅かったらしい。和尚のいるお堂に行くと、和尚と三人が、ササタケ忍者がいたであろうもぬけの殻になった敷き布団を囲んでいた。
彼らはさくらに気づいて挨拶する。
「どうしたんです?皆で囲んで・・・」
「どうやら昨日の深夜、和尚さんが目を離した瞬間に金剛は逃げたみたい」
乱太郎はほっと胸を撫で下ろす。
「動けるようになったんだね。よかったよかった」
「でも、どうしてあっさり帰ったんだ?」
団蔵は首を傾げる。金剛の目的はこの寺を破壊することだったはずだ。それがなにもせずこの場を去ってしまったことがわからなかった。
「きっと金剛は仁地寺を破壊する計画はやめたんだ」
「仁地寺は誰でも助ける病院で、ササタケにも無害だってわかったから?」
団蔵の問いに庄左ヱ門は微笑む。乱太郎が隣で嬉しそうに続けた。
「それもあるかもしれないけど、多分わかってくれたからだと思う!私達や、和尚さんの気持ちを!」
「ふーん。そっか。じゃあさ、この仁地寺を狙う者ってもういないんだよな?」
「うん。一応は…って団蔵、さっきから抱えてるその板やトンカチはなんなの?」
そう庄左ヱ門は団蔵の背後を指さす。どこから仕入れたのか、そこには確かに板や棒、縄に木槌など、様々な機材が無造作に置かれていた。
「だって、二人は元々は仁地寺を作るために来たんだろ?俺も手伝おうと思って!」
「助かります。廃寺になってしばらく経っていますから、古くなったところも所々ありますし」
和尚は辺りを見回す。確かにこの寺は比較的崩れてはいないものの、廊下に穴が開いていたり蜘蛛の巣がかかり放題だったりする。
治療に必要な薬草や包帯だってまだ足りていないらしい。本題はこれからとばかりにさくらと和尚と乱太郎は薬草と包帯作り、団蔵と庄左ヱ門が寺の修理に回る。
さくらがおもむろに外へ出るといつのまにか辺りは白んできて、山の向こうに朝日がのぞかせていた。
庄左ヱ門が鋸と縄をもって高々と宣言する。
「よーっし、それでは当初の目的通り、仁地寺を作ろう!」
「おー!」
「おーい、乱太郎〜」
すると門の向こうからどこかで聞いたことのある声がした。呼ばれた乱太郎はまってましたとばかりに飛び出した。
「きり丸〜!来てくれたんだ!」
門からやってきたのは以前忍術学園で出会ったきり丸だった。いつものように飄々とした様子で階段を登り切り、乱太郎のもとへ
やってくる。
「乱太郎からバイト代が出るって聞いてきた。えーっと仁地寺だっけ?寺を建てるんだろ?」「うん!きりちゃん助かるよ〜」
「よ!きり丸。久しぶり。相変わらずどケチしてんの?」「団蔵がいんの?どケチは性分だっつーの」
若い忍者たちが集まりどんどん賑やかになっていく仁地寺。和尚がなにか言いたそうにしている。
「あの、作業の前にあさげにしましょう。みなさんおなかがすいてないのですか?」
その言葉を聞いて、団蔵と乱太郎、庄左エ門が固まる。そういえば、さくらたちは昨日の昼以降、何も食べていない。
それを知ったとたん、三人はへにゃっと座り込んだ。
「お腹すいた…」
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