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そうして朝餉も準備ができたころ、庭掃除をまかせていた伊澄の様子を見に行く。

客室を通り庭へと出た瞬間、さくらは感嘆した。

「す、すごい…枯れ葉ひとつも落ちてないわ…!」

「さくらさん、庭の掃除、終わったんですけど…これでいいんでしょうか?」

ひょっこりと伊澄がやってくる。枯れ葉も落ちてない、大きな石も取り除いたのか、見栄えが美しく、まるで庭園のような見違える風景をつくりだしていた。

「完璧です。素晴らしいです伊澄さん!…では、この後は客室の掃除もお願いしてもいいでしょうか?」
「はい!」

そうして客室の掃除の任せてみると彼女はあっというまにたくさんの客室を清掃したのだった。その部屋のすべてはまさに使う前より美しく、完璧な仕事ぶりにさくらは感動すら覚える。間宮もその仕事にとても感心しているようだった。

「いやあ良い女中を雇いました。伊澄さんは家事掃除炊事完璧ですし、虎子さんも頼りになりますねえ」

部屋の清掃は伊澄に任せて受付の前で仕事をしていたさくらに間宮はそう声をかける。
さくらが受付をしている間、虎子は食事処でおこった揉め事を力技で解決したらしい。どうしても女性が多い職場環境で、虎子のような強い女性は意外に助かるのかもしれない。

「おい、しばらくの間、二人泊まる。部屋を貸してくれ」

そんなことを考えていると、旅装束を来た男二人が受け付けにやってきた。一人は背の高いきりりとした印象の男。もう一人は小太りで呑気そうな男だった。二人はさくらと目が合う。なんだかじっと見られているような気を感じつつ、さくらは男二人に部屋を用意する手続きをした。
この時はその二人の事は気にも留めていたなかった。


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