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軍配団扇の事件から数日後、日常に戻った川村堂に一通の手紙が届く。それはO城からの感謝の手紙だった。彼らはバラバラだった国をまとめあげ、国同士の交流を広げ平和的に勢力を拡大しているようだった。無事に団扇を取り戻したことは町で出会った団扇職人にも説明済みらしい。彼も功名高いO城に団扇を引き取られたことを喜んでいた。しかし、本日も川村堂は一部の曰く付きマニア以外のお客からの評判は悪く、閑古鳥が鳴いている状態だ。
「はぁ、師匠今日もお客様きませんねぇ。代わりに来るのは・・・」
O城から届いた手紙以外に置いてあった数々の手紙。そこには川村堂が物騒で気味の悪い店であることから村や町からの撤退の願いがかかれた抗議の手紙だった。少し前には頼んでもないのに陰陽士が厄払いに来たこともあった。相変わらず嫌われものの川村堂に、すみれはため息をつく。
「師匠・・・なんでうちは物騒なものばかり集まる骨董店なんでしょう」
「ははは」
「すみませ〜ん・・・」
源四郎がごまかして笑うなか、一人の人物がやってくる。その声に二人は振り返りすみれは入り口までむかった。するとこれまた陰気そうな蒼白の少年だった。こんな雰囲気をもつ少年達をよく知っているすみれはすぐにピンと来た。
「平太くんのお友だち?」
「うん。僕初島孫次郎。平太と同じ学級の忍たまだよ」
やっぱり、とすみれは思う。しかし孫次郎のまわりをみても平太の姿はなかった。すみれはどうして彼と同級生の平太が共にいないのだろうと首をかしげる。
「平太くんはいないの?」
「その平太のことなんだよ」
孫次郎は暗い顔をさらに暗くして語り始める。
「昨日から、平太が帰ってこないんだ・・・」
彼の口頭一番の言葉にすみれは頭が真っ白になった。孫次郎の来店から、川村堂の長い一日が再び始まろうとしていた──。
運命の軍配団扇 ―完―
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