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次の日、ドクたまはドクタケ城のとある部屋で机に向かっていた。
「なんで、僕らが反省文なんて描かなきゃいけないの」
しぶ鬼が真っ白な紙を前にうなだれる。
「悪いのは木下穴太部隊長よね?」
山ぶ鬼の言葉にしぶ鬼、いぶ鬼、ふぶ鬼が何度も頷く。彼らはあのあと出城を壊した反省文を書けと八方斎に命じられ、渋々こうして反省文を書いている。しかし自分達はきちんと出城をつくったし、壊したのは大黄奈栗野木下穴太だ。彼らは不満だらけだがりんはというと、しぶ鬼の隣で黙って反省文を作成していた。
「春鬼は真面目で従順だよな・・・」
「でも昨日は爆発に巻き込まれてめちゃくちゃ怒ってたから」
「あれは面白かった・・・」
しぶ鬼ふぶ鬼山ぶ鬼が笑いをこらえる。その話を聞いていぶ鬼はそうだと思いだし、りんのそばへと寄る。
「春鬼、昨日はありがと」
いぶ鬼の礼に、りんは筆を止めていぶ鬼の方を振り返った。
「なにかしたっけ?」
「うん。金吾と代わりに戦ってくれただろ。春鬼は厳しいけどやっぱり優しいところがあるね」
「・・・何をいってるのかわからないよ」
あともうひとつ、といぶ鬼は続ける。
「僕に謝りたいことって・・・なに?」
しまった、とりんは思った。あの時はいぶ鬼のとても悲しくしている様子に心が揺れてしまって試験の事を話しそうになっていたのだった。
「・・・もうその事は忘れて」
「ええ?気になるよ〜・・・って思ったけど」
りんは、他人のことはあまり気にならず、関心を持つことは少ないがいぶ鬼はよい人物だと思っていた。悪質で卑怯なことばかりするドクタケ忍者には向いていないと思うほどだ。
「ぼく、春鬼に会えてよかったと思ってるから。だから謝る必要、ないよ!」
サングラス越しでいぶ鬼の表情はよくみえないが、きっと優しい笑顔を向けているのだなとりんは思う。
いぶ鬼を試験のために利用した自分なんかが、会えてよかったと思ってくれるほどの筋合いはないともう一人の自分が言う。しかし、そんな自分でも彼らは優しくしてくれる。それがりんにとっては、純粋に嬉しかった。
「いぶ鬼」
「ん?」
「ありがと」
人に感謝するのなんていつぶりだろうか。慣れないことをして、ぎこちなくなる。
「あの二人、結構仲いいよね」
「あー、いぶ鬼うらやましい。あたしも春鬼くんとはなしたーい」
「僕はまだ認めないぞ・・・」
そんな二人の背中を見て三人はのんきにぼやくのだった。
出城をつくれ ー完ー
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