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休みも最終日になった日、りんは数日世話になったしぶ鬼の家族に頭を下げる。
「お世話になりました」
「じゃ、僕たちはドクタケ城に戻るから」
荷物を持ち職場へもどろうとする二人をしぶ鬼の母とドクタケ忍者姿の達魔鬼が見送る。
しぶ鬼の母は仕事を頑張るようにしぶ鬼に言う。
「ではまたドクタケ城で会おう。春鬼くん、今後ともドクタケ研修生として…友としてしぶ鬼を頼む」
「はい。こちらこそ、お願いします」
そうしてドクタケ城へと戻る最中、りんはずっとしぶ鬼の家族について考えていた。
同じ家族という言葉でも自分の家族としぶ鬼の家族ではまったく感覚が違う。りんは両親に心配などかけてもらったことはない。
ただ一言、忍びとして恥ずべきことはするなときつく言われるのであった。
「しぶ鬼の家族って、いいな。休まる気がする」
「えぇ?自分の家族なんてそんなもんじゃないの?」
「俺の里では俺はそういうの、なかったからな…」
ぼんやりとりんはぼやく。他人の家族の事をうらやんでも仕方ないと思うが、自分ももしあんな過程で育っていたら、しぶ鬼やドクたまのみんなともっと親しくなれたのだろうか?そんな想像をした。
「だったらまた来いよ。ドクタケとかそういうの抜きにしてさ」
「…うん」
次に彼のところへ行くことなどはきっとない。なぜなら自分は課題のためにここにいるのであって、いずれは彼らは自分たちがりんに騙されていたことを知るだろう。そうすればもう友と言われることもましてや会いに行くなんてこともできないのだ。りんは立ち止まり、しぶ鬼の名を呼んだ。
「ん?何?」
「楽しかったよ。こうやってお前といるの」
「なんだよ。これでお別れみたいなこと言って。一緒にドクタケ忍者になるんだろ?」
「・・・そうだな。変なこと言ってごめん」
そういって再び歩き出す。いつかくる彼らとの別れがきても、自分は平気でいられるのだろうか?いや、平気でいなければならないのだ。忍びは常に鬼であれ、いつか家族の言った言葉の意味が今は辛いほど理解できると、りんは思った。
休息も仕事のうちである―完ー
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