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桜咲き誇るうららかな季節のまっさかり。いつもなら気の抜ける陽気であるがその日、ドクタケ忍術教室の空気はいつもと違っていた。なぜなら今日から彼らドクたまはドクタケ城に3ヶ月の研修に行くことになっているのだった。今年で皆も14歳。ドクタケ忍者として徐々に実践を積む年になったのだ。
いつもの忍術教室に担任教師である魔界之小路が、一人の人物を連れてやって来ていた。ドクたま達はその見慣れたサングラスはかけども知らぬ人物をじっと見つめ、ただ魔界之からの説明を待っていた。
「えー、皆さんおはようございます。今日からドクタケ城の研修にいく日ですね。その前にその研修に、ドクタケ忍者志願者である彼の紹介をします。春鬼くん、挨拶出来るかな?」
「はい」
りんはドクたま達の顔を見る。彼らは突然の自分の登場にポカンとした様子で見ていた。
「西の忍者の里からやって来ました。春鬼と言います。将来はドクタケ忍者になりたいと思い、今回この研修に参加させていただくことになりました。これから3ヶ月、よろしくお願いします」
深々とりんは頭を下げる。はい、と一人のドクたまが手をあげた。「はい、しぶ鬼くん」
「研修は春鬼くん含めた5人で行うってことですか?」
魔界之はしぶ鬼の言葉に頷く。しぶ鬼は春鬼と呼ばれた人物がどんな者かさっぱりわからないために、少し不安になった。
「その通りです。でもこの春鬼くんの故郷では一番の忍術の使い手でとても優秀ということだ。きみたちも負けないようにしたまえよ」「待ってください」
また別の生徒が手を挙げる。背の高い男。魔界之はふぶ鬼、と呼んだ。
「いきなり来た奴をそう簡単に受け入れる訳には行きません。実力をみせてもらわないと」
「いいねふぶ鬼、僕もみたい!」
「あたしも〜!」
騒がしくなった教室に、魔界之小路は困ったように生徒たちをみる。ふぶ鬼は続けてこういった。
「春鬼、武術の基本、剣術で手合わせしてくれよ。その腕前次第で、お前をドクたまとして認めてやるよ!」
「あーあ、勝手に決めちゃって」
しぶ鬼が呆れたようにふぶ鬼を見た。止めようとした魔界之小路を遮り、りんはいいですよ、とふぶ鬼に言った。
「私がどれだけの力量か、知りたがるのは当然です。手合わせしましょうふぶ鬼さん」
「よし、じゃあ外へ出ろよ」
「木刀持ってくる〜」
二人は外へ出て木刀を構える。
そこから離れた場所でしぶ鬼、いぶ鬼、山ぶ鬼、魔界之小路がみまもる。見物のドクたま達は、ふぶ鬼を応援していた。
「さぁ、かかってこい!」
ふぶ鬼が構える。りんは言われた通り、木刀を一振りする。ふぶ鬼それを受けて幾度か剣先が触れ合う。
「えい!」
ふぶ鬼が隙をみて上から打ち込む、りんがそれを木刀で受けてあとすざる。周りからはふぶ鬼が優位に思えたその瞬間、ふぶ鬼から受けた木刀をするりと受け流し、真横へ動き素早く切り込んだ。
「うわぁ!」
思いきり切り込みを受けそうになったふぶ鬼は地面にしゃがみこむ。しかしりんはぎりぎりまで木刀を寸止めしていた。
「すごい、構えと動きが全く違う!」
「僕でも敵いそうにないや」
しぶ鬼といぶ鬼が圧倒されたようにそれを見ていた。その傍でじっと見ていた山ぶ鬼。その様子はほわわんと見とれてるようでうっとりとしていた。
「春鬼さん・・・素敵ー!」
「げ、本気かよ山ぶ鬼」
しぶ鬼いぶ鬼山ぶ鬼がそんなやり取りをしている間にりんは地べたに転がったままのふぶ鬼に手をさしのべる。
「ありがとうございました。ふぶ鬼さん」
「・・・すごく悔しいけど、実力は認めるよ。えっと、春鬼」
二人の空気が幾分かやおくなった様子をみて彼らは駆け寄る。
「春鬼くん、武術得意なんだね!」
「ほんと素敵・・・!あたし春鬼さんのファンになっちゃった!」
りんを囲んで彼らはわいわいしている。魔界之小路がかるく手を叩く。
「はい、もういいでしょう。研修では同じ仕事をすることもあるでしょうが、皆さん協力してなんとか3ヶ月を無事に過ごしてください」
そういって彼らは荷物をまとめ、ドクタケ城へと向かった。
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