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「ということで、研修生といえど、君たちの事はいち忍者として扱うのでそのつもりでいるように!」

ドクタケ城のある部屋でドクタケ忍者隊首領、稗田八方斎の研修挨拶が終わる。噂に違わぬ大きな頭に人相の悪い容姿。りんにとって、戦をするかしないかを左右する重要な人物の一人だ。

「君たちの指導を行うのはこちらにいる忍者隊隊長の大黄奈栗野木下穴太だ」
「・・・どうも皆さん。これから3ヶ月、ドクタケ城がどんなところか・・・身をもって知ってもらいますからね。特に春鬼くん」

八方斎の隣に立つ大黄奈栗野木下穴太はりんを名指しする。大黄奈栗野木下穴太はにやりと悪い笑みを浮かべた。

「頑張ってくれたまえ」

そういって二人は部屋を出ていく。緊張の解けたドクたま達はあぐらをかいてだらりとしていた。

「はぁ〜ドクタケがどんなところかって・・・そんなの僕らよぉく知ってるし」
「春鬼くん、木下穴太隊長はあーいってたけど、気にしなくていいから・・・」

しぶ鬼といぶ鬼の言葉にりんは首をかしげる。そう、彼らはドクタケ城をいつも間近で見ていたのだ。十分重要な情報をもっている可能性がある。しかし、卑劣なことで悪評高く恐れられている城であるはずなのに、彼らは呆れてため息なんてついているのだ。

「ドクタケ城は後先まーったく考えないし・・・」
「思い付きばかりで失敗も多いから・・・」
「戦は得意だけど卑怯で嫌われてるし」

ぐっと彼らは春鬼に詰め寄る。

「だから春鬼くんみたいに外部からドクタケに就職したいなんて人はすっごく少ないんだ!僕らはドクタケ忍術教室の生徒だから・・・」

「そ、そうなんですね・・・」

「むしろ、なんでドクタケに入りたいと思ったの?」

いぶ鬼からそんな質問をされる。りんはこれが潜入で、忍術試験と悟られぬようあらかじめそのような答えは用意してあった。

「それはこの時代は力と戦が全てですから。圧倒的な力を持てば戦で敵は自ずと兵を引きます。このあらゆる城の中でそれを心得ているのは、このドクタケ城であると、私は思いドクタケを選びました」

「うっわ〜凄くまとも・・・」

りんの答えにふぶ鬼がそんな言葉を呟く。

「全うに聞こえるけどドクタケがどれほどとんちんかんな城で、春鬼くんが落胆しないか・・・心配〜」
「あーん、春鬼さん、真面目なのね〜!」 

りんは彼らの反応に不安になる。あまりにもまともな答えはかえって不審がられるのだろうか?そんな事を考えているとドクタケ忍者の一人が部屋に入ってきた。

「研修生、お前達の部屋を案内するからついてこい。山ぶ鬼はあとからドクタケくの一が案内にくるから待っていろ」

四人のドクたまたちが立ち上がりそのドクタケ忍者についていく。城内をしばらく歩くと手前と奥の部屋がある廊下の前で立ち止まる。

「手前の部屋はいぶ鬼とふぶ鬼の部屋、奥の方がしぶ鬼と春鬼の部屋だ。ここは3ヵ月間つかうからな・・・中のものを壊したりするなよ?」
「はい」

四人がそう頷くとドクタケ忍者は去っていく。四人はそれを見送って、姿が見えなくなると輪を囲んだ。

「隣同士ならすぐ会えるし色々話せるね!」
「山ぶ鬼、一人で大丈夫かなぁ」
「なんか忍術学園みたいかも〜」
「では、中に入ってみましょう」

りんが入り口の戸をひくと、そこにはがらんとした部屋のみ。日差しや風が入る戸があり、横には布団などがある襖がある。一歩入ると、床にくっきりとりんの足跡がついた。しぶ鬼がそれをみて嫌そうな顔をする。

「埃だらけじゃんか!ずっと空き部屋だったんだ・・・はぁ、ドクタケ城にやってきて、まずすることは部屋の掃除だな・・・」

「ははは・・・」



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