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「しゅんきくーん!」
夜、山ぶ鬼はがらっと勢いよくりんとしぶ鬼のいる部屋を開ける。いきなり開いた戸にキャッと女の子のように驚いたのは戸の手前にいるしぶ鬼だ。
「おい!男の部屋に声かけもなしで入るなよ!」
「どこのだれが男ですって?」
「僕と春鬼だよ!」
「春鬼くんはともかく、しぶ鬼を男なんて思ったことないもーん」
「なんだとー!」
戸の前で喧嘩をはじめた二人を奥でなだめるのはりん。
「おいおい、隣のいぶ鬼達に迷惑がかかるよ。山ぶ鬼、俺に何か用か?」
ひょっこりと衝立から顔を出したりんの問いかけに山ぶ鬼は頬を赤らめ嬉しそうにする。それを隣で迷惑そうにみているしぶ鬼。
「うんっ!そっち行ってもいい?」
「いいよ、おいで」
そんなしぶ鬼をいっさい見ずに嬉しそうにとととっ・・・と衝立の向こうへと行く。やたら仲の良い二人をみて何故か面白くないと思ったしぶ鬼も山ぶ鬼の後についてくる。
「ちょっとあんたなんで来るのよ」
心底邪魔そうに見てくる山ぶ鬼の視線を無視してしぶ鬼はりんに聞いてみる。
「・・・なぁ、二人ってほんとに恋仲なの?」
やけに真剣に聞いてくるしぶ鬼。山ぶ鬼は笑いをこらえている。山ぶ鬼とは事情を知り合った中であり、とても話しやすい存在であるが本当に恋仲になった訳ではない。はたからみるとりんは男なのでそういう疑いを持つのかもしれない。
「ちがうよ。ドクコレでの話は嘘だから」
「もしかして、あんた私と春鬼くんの仲を羨んでるでしょ」
「ばっ、ばか。人の仲を羨んだりするもんかよ」
いっとくけど、と山ぶ鬼のでこをつつくしぶ鬼。
「春鬼の恋人になるなら、相棒の僕が認めないとだめだかんね!」
「あっ、やっぱりあたしにヤキモチやいてる」
ヤキモチという言葉に顔を赤らめるしぶ鬼。それをみた山ぶ鬼がしぶ鬼ってこどもねぇと煽り再び喧嘩をはじめた二人。元々喧嘩の多い二人組だが、最近は自分が喧嘩の種になることが多く困っていた。
隣の部屋から喧嘩を察して様子を見にやってきたいぶ鬼とふぶ鬼は戸の隙間から春鬼に同情の眼差しを向けた。
「春鬼、大変だね・・・」
「うん・・・」
しかし巻き込まれることは避けたい。ドクたま長年の経験からよく巻き込まれていた二人は、なすすべなく山ぶ鬼、しぶ鬼の喧嘩を見守るしかないのであった。
ドクコレを開催だ ―完―
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