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学園皆で計画した作戦が大成功に終わり、互いを喜び合う生徒達。
小梅も無事に曲者が捕まりほっと胸をなでおろした。

「よくやったな。本当は俺が捕まえたかったが・・・まぁこの際いいだろう」

ぽんと後ろから小梅の頭に手をやる文次郎。そんな二人の前に背の高く長い髪を揺らす忍たまがやって来た。彼も六年生のようだ。

「文次郎、見てたぞお前が食堂をやってる姿を・・・ふっ」
「仙蔵・・・なにがそんなに面白いんだ?」

仙蔵と呼ばれた彼は切れ長の瞳を細くして声をこらえて笑う。

「まさかお前が女と協力するなど想像もしなかったのでな・・・その割烹着姿も・・・似合ってるぞ。ぷぷっ」
「うるさい。曲者を捕まえる為に協力してもらったんだ。仙蔵も礼を言え!」

小梅と仙蔵がぱちりと目が合う。彼はぽかんと小梅の顔をじっと見ている。

「おいおい、女の子に優しかったんだな」
「他の女なら信用できんが・・・こいつは別だ。世話になった」

段々と仙蔵の顔が真顔になっていく。ただでさえ他人にも厳しい文次郎がまさか女性、それもくのたまを信用し、感謝をするなどの一面をみたのはこれまではじめてのことだ。

「あの文次郎がここまでいうとは。君は変わってるんだな?」
「ううっ、お二人とも私を女の子としてみてませんね!?」

文次郎は笑って、そしてはたと思い出して小梅に言う。

「そういえば、お前補習中なんだろう?ほら、なんとかシートとかいう」
「はい。あ、シナ先生の所にいくんだった!急がなきゃ!」

夜までと言っていたが、もう夜も夜。深夜である。シナはきっと自分が来るのを待ちわびているに違いない。慌てて割烹着を脱ぎくのいち教室へ戻ろうとしたとき、首根っこを文次郎に引っ張られる。

「行く前に、そいつを貸せ」
「へ?シートですか?・・・あっ」

シートを取り出すと上から文次郎に取られてしまう。あっという間に彼はそのシートに名前を書いた。

「ほらよ。合格できるといいな?」
「え、えぇー!潮江先輩のサイン・・・!いいんですか?」
「巻き込んだ詫びだ。これからも頑張れよ。もっと努力して・・・」

ぐっと文次郎は拳を握る。

「いつか俺と手合わせしよう!・・・なーんてな」
「はい!潮江先輩!ありがとうございます!」

小梅は一礼してシートを握りしめる。そのまま元気よく食堂を出ていく。その姿を見送る文次郎。

「文次郎、彼女のどこをみて信用しようと思ったのだ?」
「そうだな・・・」

その様子を見た仙蔵が何気なく聞く。割烹着を脱いだ文次郎は背伸びをしながら答える。

「馬鹿正直なところだな──」

台所からみえる戸を覗く。真っ暗闇のなか、丸い月が真上に来ている。山から通る真冬の風がやさしく吹いた。

忍術学園深夜食堂 ー完ー


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