#10
近界民についての報告が終わるころにはすっかり遅い時間になってしまった。もう今日の授業も終わってるみたいだ。
一応顔を出しておこうと私達のクラスである1-Aに戻ると、教室の出入り口に人がゾロゾロと集まっていた。不思議に思いつつ中を覗こうと近づく。
「うわ、」
私達の後からも人が増え、押し出されそうになった時、すかさず出水の手が伸びてきて私の手首を掴み引っ張られる。
「あぶねぇな」と言いながらしっかり私の手を握り直した出水に「ありがと」と感謝を伝えつつ、この人だかりはなんだろうねと出水と顔を見合わせてると「出れね―じゃん!」という峰田君の声に続いて「敵情視察だろ、ザコ」という爆豪君の声が聞こえてくる
クラスメイトにザコ呼ばわりとか本当ブレないな爆豪くん
「意味ねェからどけ、モブ共」
「知らない人の事とりあえずモブって呼ぶのやめなよ!!」
「「ブフッ!!」」
安定の爆豪君に思わず吹き出してしまった。人だかりのせいで爆豪君の方から私達の姿は見えてない様だ
「ずいぶん偉そうだなぁ」なんて紫の髪をした子が爆豪君に突っかかる
「敵情視察?少なくとも俺は、調子乗ってっと足元ゴッソリ掬っちゃうぞっつー宣戦布告しに来たつもり」
「敵と戦ったっつうから話聞こうと思ってたんだがよぅ!!エラく調子づいちゃってんなオイ!!!」
2名に宣戦布告を受けている様子を見て「おー熱いな」と出水が呟く。なんだか熱い展開になってきててワクワクする
他のクラスに喧嘩を売るような行動に「おめーのせいでヘイト集まりまくっちまってんじゃねえか!!」と爆豪君を咎めている
「上にあがりゃ関係ねぇ」
そう言って人だかりをかき分け、私と出水がいることに気づくと一睨みして帰って行った。
爆豪君が帰ってしまったことで周りも落ち着いたのか教室の入り口を囲んでいた人らも帰っていく。
人がいなくなったことで私達に気づいた麗日さんが「あ!」と声をあげる。
麗日さんの声で私達に気づいた他の子達も私達に近づいてくる、なぜか緑谷君の顔が赤い。
「どもども、なんだか熱い展開になってるねえ」
「そういえば二人は体育祭に出るんですか?」
「残念ながら不参加だよー」
「楽しそうだけど、個性ありきのなんでも体育祭についていけそうにねぇしな」
「体育着着用が必須みたいだから恰好が変わっちゃうトリオン体に換装することが出来ないしねー」
「服装の変更は出来ないのか・・」
緑谷君がブツブツと一人で呟き始める。トリオンに興味があるのかな
そもそも私のトリガーホルダーは学校側に預けられている。私達の衣食住の引き換え条件だ。近界民が現れたことで私と出水、同時に二つ預けるのは危険だと判断して、交互に預けることになった。ということで今は私のトリガーホルダーを預けている。
「それよりA組って好かれてんの?嫌われてんの?」と出水が聞くと「たった今嫌われた所です」と返される
「ハハハ!でも上に上がれば関係ない、なんてかっこいいこというよねー」
「無駄に敵増やしただけですよ!」
「私達は出ないけど、A組応援してるから頑張ってね」
「おう!爆豪に負けてらんねぇ!」
じゃあ少し顔出しに来ただけだから、「ばいばーい」と手を振り出水と一緒にA組を離れる。
個性にも色々な種類があるみたいだし、観戦してるだけでも楽しそうだな。ボーダー体育祭とか開催しないかな〜、結構乗り気でやってくれる人多そうだし盛り上がりそうで楽しそう!
「や、やっぱあの二人って付き合っとるんかなあ!?」
「あの繋がれた手は突っ込んだほうがよかったのか?」
「リア充が!!!クソッ!!!」