#4
「俺の安否はどうでも良い。何よりまだ戦いは終わってねぇ」
敵の襲撃後、相澤先生の驚異的な復帰力に驚き喜んでいたが、先生の言葉に緊迫した空気に包まれる
きっと全員の頭の中には、あの日最後に現れた黒いコートの二人が浮かんでいるはずだ。セメントス先生が壁を作りかっちゃんを止め、あの二人は大人しく先生達に連れて行かれていたが、その後どうなったのか僕達は聞かされていない
やっぱりあの二人は敵だったのか・・?ゴクリと唾を飲み、先生の次の言葉を待つ。全員の注目を浴びながら相澤先生がゆっくりと口を開く
「雄英体育祭が迫っている」
「「「クソ学校っぽいの来たあああ!!」」」
雄英体育祭、全国のプロヒーローも観ているアピールのチャンス...!
敵の襲撃を受けたばかりだからそこは中止にしとこう、なんて言ってる峰田くんに思わず八百屋さんと一緒に雄英体育祭のすごさを説明する。毎年テレビで観ていた雄英体育祭に自分が出場するなんて...!さっきまでの緊迫した空気はどこにいったのか、ワクワクする気持ちが抑えられない。そんな時、思い出したかのように相澤先生が口を開く
「あ、それともう一つお知らせだ。特別編入生がこのクラスに入ることになった。入ってこい。」
特別編入生・・?質問する間もなくガラッ、と教室の扉が開き、ゆっくりと歩きながら「このまま忘れられるかと思った」「つーか忘れられてただろ」なんて呟きつつ相澤先生の隣に二人が並ぶ。そして僕たちを見渡し、軽く手を上げながら一言。
「「どうぞよろしく」」
「「「えええええ!?!?」」」
思わず叫んでしまったが無理もない。にやりと笑いながら入ってきた二人こそ、雄英の制服を身に着けているものの敵が襲撃してきた日、最後に現れたその二人だった
「はァ!?こいつらあん時の!!」
「お、ツンツン君じゃん。元気〜?」
「あァ!?誰がツンツン君だ!!殺す!!」
「爆豪君落ち着きたまえ!せ、先生!説明を求めます!」
爆発寸前のかっちゃんを止め、ビシッと手を挙げながら全員の気持ちを飯田君が問いかける。さすが委員長・・・!
「あ〜・・・お前らが顔見てるからこのクラスで監視も兼ねて面倒みることになったんだよ。詳しいことはめんどくせーからこいつらに直接きけ」
適当!!!丸投げされると思ってなかったのか当事者の二人も驚いたように先生を見てるよ!!
色々聞きたいことはあるものの、どう聞いたらいいのか全員が戸惑っている
「・・・てめェら敵じゃないんか」
「ヴィランね、それめっちゃ聞かれたな〜違うよ。私たちは敵じゃない」
「つってもそのヴィランってのがどういうのかあんましわかってねぇから証明できるものもないんだけどな、まあなんというか危害を加えるような行為はしねーよ」
「はァ?意味わかんねェ」
「・・・もし本当に敵なら雄英に編入なんて話にならないだろうし、敵じゃないっていうのは本当だと思う」
「敵がどういうものかわからない」引っかかる言葉はあるものの、敵じゃないとは思う。根拠はないけど、この二人からあの時敵対した敵達の様な嫌な感じは感じないし・・
そう思ったことを言うと口を挟まれたのが気に食わなかったのか、僕が喋ったことが気に食わなかったのか(多分両方だと思うけど)目をつりあげながらかっちゃんがこちらを睨みつける
「・・ンなこたぁわかってんだよ!!口挟んでんじゃねェぞクソナードが!!!」
「ヒッ・・!ご、ごめんかっちゃん・・・」
「いやお前意味わからんっていってたじゃねえか・・」切島君がそう突っ込むと「あァ!?うるせぇぞクソ髪が!!」と今度は切島くんに標的が向く。
そんなやり取りを見て二人は(そういえば名前も聞いてないな)パチパチを瞬きをしながら不思議そうにしている
「・・・ツンツン君ってそれが標準なんだね」
「てっきり俺らが怪しいからそういう態度とってんのかと思った」
しみじみとそう呟いた二人に、クラス数人が吹き出した