『沢田 綱吉』と夏休み!


「ツーナー遊ぼう」
「ごめん無理」
「なっ……即答!」

私は朝から幼馴染みのご近所さん宅へ押し掛けていた。夏休みも残すところあと2日、遊ぶ気満々だった私を奴は一瞥しただけで、なんと辛辣な言葉と共に一蹴したのだった。長期休暇の恒例行事をまさか断られるとは思ってなかった私の頭には比喩的な意味合いで1tの大岩がヒットした。
徹夜でゲームして、某ピンクの丸い物体が主人公なゲームの全面クリアを狙っていたのに。この家のファ●コンはコントローラが一つ壊れてるからちゃんと持参したし、忘れずにツナの好きなお菓子だって持ってきた。

「準備良すぎだろ……ってかオレ今忙しいんだって!」

宿題終わらないから!と非難にも似た声に意外な風に驚いてしまう。去年散々痛い目見たのに、また同じ事の繰り返しとは聞いて呆れる。冒頭でも言った通り、夏休みは今日を入れてあと2日で終わる。因みに私は先に終わらせる派だ。

「いや待って。何その得意気な顔!今カリカリしてるから余計むかつく」
「うわ、ひどい」

酷くて良いから出てけ!と言うツナはよっぽど焦っている様子。焦るくらいならもっと前にしとけば良いものを。
とりあえず仕方ないからお邪魔虫は退散するとしよう。

「じゃあまたねーツナ」
「あぁ、うん」

パタン、と正常に扉の閉まる音がして私はツナの部屋を後にした。駆け足で向かうはマイホームだ。
奴の事だから、多分今頃ちょっと言い過ぎたかな?とか後悔してるんだ。同時にそんな浅い幼馴染みやってないかと自分に言い聞かせて。そうそう、ちょうど気持ちを切り替えて宿題に専念しないと!って考えて……

「数学全然分かんねぇー!」

ビンゴだ。

「はいはいそんな事もあろうかと助っ人とーじょー」

野球部所属のクラスメイトが残した名言を口ずさみながらその部屋へと再入室すれば、想像通りに頭を抱えた少年の姿。いやぁ幼馴染みって素晴らしい。そこまで完璧な動きをしてくれたツナも大変素晴らしい。

「あれ、帰ったんじゃなかったの?」
「またねって言ったじゃん」

忘れたお菓子を一つ取りに帰ってたんだと伝えるも、それこそ興味無く返される。めげないぞ私。こうなれば何としてでも最終日ツナと遊んでやる。宿題なんて私の手にかかればちょちょいのちょいさ!

「ありがたいけど……結構量あるよ」
「大丈夫!絶対夕方には終わらせる」

神だ!とかツナが言ったのに便乗して敬いたまえと笑ってやれば苦笑された。何だ畜生、なんか私が恥ずかしいじゃん。

「さぁツッ君、死ぬ気で頑張ろうじゃないのさ」
「スパルタ!?」


タイムリミット2日

光の早さで宿題をこなし、結局その日徹夜でゲームしたのは嬉しい誤算だ。

「ツナー泊まってって良い?ってかもうお母さんに言ってきちゃった。きゃっ(はーと)」
「それ聞く気ないよね。あとかっこの中とか読まなくて良いよ棒読みだし」


執筆2008.08.11.mon
加筆2009.06.03.wed

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