2021/03/03(Wed)
dnd夢
「冷たっ!」
朝焼けのまだまだ温度の低い海に裸足で入りはしゃぐ彼女を微笑ましく眺める。公表しているとはいえあまり堂々と外を出歩く事はしないと決めている。来れるのは今来ている様なリーグ所有のプライベートビーチくらいだ。
「あ、ダンデくん!あれ見て」
彼女の指差す岩山の方へ視線を向ける。カジリガメ2匹とカムカメが数匹、家族だろうか。オレたちと同じように水浴びをして遊んでいる。
「ふふ」
「どうしたんだ?」
カジリガメたちを見たまま目を細めている彼女を見る。
「昔あんな風にお互いの家族と一緒に来たよね」
「ああ……、そうだったな。ホップが転けて砂まみれになって泣いていた」
「あれはダンデくんがやったんじゃん!」
そうだったか、と笑いながら岩山をもう一度見る。ああ、なんだか。
「オレたちも、あんな家族になれたら」
「えっ?」
「……あ」
ポカンと目を丸めた彼女と目が合う。しまった、口に出てしまったのか。今のはどういう意味か聞いて来る彼女に水をかけ、無理矢理気を逸させる。
時間をかけてきたキミとの時間だ、どうかもう少しだけ。待っていてくれないか。
