Sushi



1000文字以内の短い小説です。名前変換無しナマエ固定。
脳内補完してください。

2024/05/05(Sun)

🃏夢(🦚夢)

 右肩にすり、と何かが擦り付けられる感覚で意識が浮上する。側からは「きゅ〜」と鳴き声が聞こえるので創造物のどれかだろう。
 朝ご飯の催促だろうか。でもまだ目が開かない。瞼たちがもう少しいちゃつきたいと言っている。そんな二人……四人……人?とにかく二組の仲を割くような真似、私にはとても出来ない。だから仕方ない

 カーテンと窓は既に開いているようで、穏やかな日差しとそよ風に気持ちのいい季節が始まったなと感じ、その内に少しずつ意識が飛ぶ回数が増える。
 創造物たちの合唱を子守唄に、もう一度夢の世界に入る手前で今度はぐりと肩へ強めの感触。

「……も、ちょっと、まって〜」
「……」

 ぽんぽんと撫でてやると一瞬動きが止まったものの、今度はより一際強く押し付けて来た。

 えらく甘えただなと自然と上がる口角はそのままに、体勢を変え頬を擦り付けてやる。思っていたより長い何かが顔に当たり、もうこんなに毛が伸びたのかと不思議に思いながらもそのまま腕に抱き込んでやった。この間トリミングしたばかりなのになあ。
 ようやく動きを止めたので、こうして欲しかったのかと納得をし、ヨシヨシと撫でながらずっと寸前で待ってくれていた睡魔くんに向き合うことにする。

 はあ、創造物を吸いながら微睡む時間は最高だなあ。なんだかこの子はアベンチュリンの香りに似ていて、昨晩アベンチュリンもこの子を同じように抱いて寝たのかも。と考えてる内に私はまた眠りについたようだった。

🃏夢(🦚夢)

2023/07/21(Fri)

dnd夢

「……あーっ!見つけた!」
「お!やあナナシ!探してい」
「探してたのはこっち!なんで勝手にどっか行っちゃうの!?」
「わはは!そんなつもりは」
「動かないでって言ったよね!?」
「言われてないが」
「キバナさんが!」
「あー、まあ言っていたかいないかで言うと」
「言ってたでしょ!もう、ごちゃごちゃ屁理屈ばっか言うんだから」
「そんなことないぜ!」
「どの口が言うんだか!ロトム、キバナさんに」
「おっと、ストップだ!」
「あ!」
「ケテ〜?キバナサンにかけないロ?」
「ああ!まだいいぜ」
「よくない!勝手なことしないで!ロトム!」
「無視していい」
「ロト〜……」
「ちょっと」
「暫くボールに戻るといい」
「ちょっと!?」
「さ、行こうかナナシ!」
「どこによ!ナックルシティに戻るの!こっち!」
「いや、こっちだぜ」
「違うってば!」
「……」
「うーごーいーてーよー!」
「なあ」
「何!?」
「なんで皆が困ることを知っていてオレが外に出たか分かるか?」
「知るわけないでしょ!?」
「考えてみてくれよ」
「はあ!?どうせポケモンを近くで見たかったからとかでしょ」
「……はは!違うぜ」
「どうでもいいから!早く、」
「正解はだな」
「も〜〜!」
「オマエと二人きりになりたかったからだぜ」
「……、も〜〜〜〜っ!!そんなことで!?」
「そんな事でとはひどいな」
「そんなのいつだって」
「本当にいつだって二人きりなれたか?なれるのか?」
「……」
「分かってくれたか?」
「……も〜〜!!ちょっと遠回りするだけだからね!キバナさんにもそう」
「おっと、キバナにはオレが連絡を入れよう」
「?なんでわざわざ」
「いいからいいから。さあ、久々のデートを楽しもうじゃないか!」
「も〜〜〜〜〜〜!!!!」

dnd夢

2022/06/02(Thu)

dnd夢

 だって私はなんでもないただの人間で、特別なことなんかなんにもなくて、でもダメなとこは沢山あって、ダメなとこしかなくて、それでもここまで私なりの人生を歩んできた、ただそれだけで。
 だから、この先も大きな出来事なんか起こらなくて、起こすつもりもなくて、それで、それで。

「それで?」

 それで、だから、私は。

「むり、です」
「どうして?」
「だって、わ、たし、は」

 わたしは、私は、どうして目の前の人を拒絶しているのだったか。掴まれた腕が、突き刺さる視線が、怖くて、恐くて、上手く頭が回らない。でも逃げなきゃ、逃げたい、のに。
 口を開けずにいると、至近距離にある二つの満月がにっと三日月に変わる。

「ほら、帰ろう。キミは疲れているんだ」

 「そうだろう?」と疑問符を付けながらもこちらの話には一切興味がないこの人は、先の言葉通りに私の腕を引っ張って歩き出し、私は足をもつれさせながら着いていくことしか出来ない。
 ダメなのに。ムリなのに。なにが?一体何がダメで、ムリで、私は。

 ふっと視界が暗くなる。その原因である頭上に被せられた重い布を取り払おうと片手でもがくが、気が付けばその布に全身を包まれていて足が宙に浮く。

「帰ろう、ナナシ。オレたちの家に。……フフ、キミは何も考えなくて良いんだ」

 おやすみ、と布越しに囁かれたのを最後に、私は考えることが出来なくなった。

dnd夢

2022/01/18(Tue)

dnd夢

「ダンデさんっ!もう少しファンサってヤツを覚えた方が良いですよ!」
「ファンサ?」
「ファンサービスですよ!」
「知ってるぜ」
「知ってるんですか!?」
「当たり前だろう」
「でもでも、知ってるだけじゃダメですよ?ちゃ〜んと実践しなきゃ!」
「有難いことにオレは結構ファン対応が良いと言われる」
「嘘だ!」
「は?」
「じゃあ何で私にはファンサしてくれないんですか!?」
「はあ」
「私は!ダンデさんの!大!大!大!大!大ファンなのに!」
「そうだったのか?」
「そうですよっ!とにかく、ファンは大事にしてください!」
「大丈夫だ。オレを応援してくれる人も苦言を呈する人も皆大事にしている!」
「アンチまで味方に付けようと!?でもでも!私は大事にしてくれて無いですよね!?」
「まあな」
「否定してくださいよ!」
「それは出来ないな。ここまで言うのはキミくらいだぜ」
「それって……」
「やっと分かってくれたか?」
「ダンデさんにとって私は……」
「ああ。すまないが」
「ズバリ!トクベツ……って事ですね!」
「……」
「もう!ダンデさんったら!そんなハッキリ態度に出されちゃ困っちゃいますよう!恥ずかしい!」
「……」
「私は嬉しいんですけど周りにはバレない様に……ギャ!」
「今更だがここは関係者以外立ち入り禁止なんだ。悪いが出て行ってくれ」
「えっでもここエントランス……ア!ダンデさんの手が私に触れて……♡」
「うわ」
「あいた!」
「じゃあそう言う事だからもう二度と此処に来ないでくれ!オレも警察沙汰にはしたく無いからな」
「あ!ダンデさん!……もう、ダンデさんったら♡」

dnd夢

2021/10/10(Sun)

hp夢

「ホップ博士ってさ〜」
「なんだ?」
「ん〜〜〜?」
「用がないなら早く帰って宿題しろ」
「あ!分かんないとこ教えてもらおうと思って!」
「……オレも生物学以外はあんまりだぞ」
「またまた〜!……え〜っと、ここの計算!答え見ても合わなくって」
「これは……、ってコラ!」
「あ!やっぱり!」
「はあ?」
「博士のメガネ、度が入ってない!」
「は、オマエ!返せ!」
「博士ってば、メガネかけた方が博士っぽいってかけ始めたんでしょ!」
「そっ!そんな訳ないだろ!」
「え〜?じゃあなんで、」
「うるっさいっ!!!!外でやれ!!!!!!」
「わ、悪い、ソニア……」
「ごめんなさい……」

hp夢

2021/08/04(Wed)

dnd夢

「ちょっとダンデくん!?なんでクーラー付けてないの!?」
「いらっしゃい。この気温ならいつも付けてないだろう」
「お邪魔しますっ!そうだけど、……暑いじゃん!」

 ダンデくんには私のこの汗が見えないのか。夕方でもまだまだ強い日差しと酷い照り返しの中せこせこ歩いてきたというのに。誰の呼び出しのせいで私はこんなに汗だくになったと……!

「シャワー使うか?」
「ぐぅ……、借ります。お部屋冷やしといてね!」
「ふふ、それは約束できないぜ」
「……バリコオルくん出しといてください」
「……」
「それくらいはいいでしょ!?お願いだからね!じゃあシャワーお借りします!」
「…………」


****


「シャワーお借りしました〜……うわっ、寒っ!!」
「おかえり。冷やしといたぜ」
「限度ってものが……」
「ん?」
「いえ何でもございませんわよオホホ」
「そうか」

 それでも少し寒すぎるのでこっそり温度を上げさせて貰う。二十二度はやばい。さっきまでとの落差が酷すぎる。そんなに怒らせてしまったのだろうか。
 普段色々と理由を付けてクーラーを付けないダンデくんがここまで下げるのは、そう。例えばイチャイチャ(意味深)する時……ん?

「だ、ダンデさん?」
「ん?」
「近くないスか?」
「寒いんだろう?もっと近くに来るといい」
「いやぁそんな恐れ多い……」
「キミとオレの仲だろう、何を今更気にしてるんだ」
「そんな〜あはは……。……あ!今日生理ですっ」
「先週終わっただろう。こっちに来るんだ」
「……はい」

dnd夢

2021/07/03(Sat)

dnd夢

──ゴロゴロゴロ……
「っ、……」
「……眠れないのか」
「ぇあっ、お、起きてたの……?」
「ああ。雷か?」
「え、へへ。……うん、苦手で」
「もっとこっちに来るといい」
「ぇっでも」
──ピカッバリバリバリ
「ヒッ!」
「だいぶ近かったな。……大丈夫か?」
「もうやだ……」
「こうすれば聞こえないぜ」
「わっ、……本当だ」
「止むまで塞いでてやるぜ。もう寝るんだ」
「はぁい。……ふふ、ありがとう」
「ああ。おやすみ」

dnd夢

2021/07/03(Sat)

dnd夢

 目の前のダンデくんが口を動かす。何か喋っているんだろうけど、閉め切っていても聞こえる土砂降りの雨の音で何も聞こえない。
 もう一度お願いと声を張り、人差し指を立てる。それを何度か繰り返した事により、ダンデくんは伝えるのを諦めてしまったみたいだ。
 全部このバケツどころか海をひっくり返したかの様な強い雨のせい。最近強い雨が続くのでこういうことも少なくない。
 またダンデくんが口を動かす。さっきよりも少ない文字数。でも何かは分からない。というか、少し意地悪く笑っているので伝える気は無く、楽しんでいるだけなのかもしれない。
 さっきと同じようにもう一回と人差し指を立てる。ダンデくんは楽しそうに笑う仕草をした後に、にゅっと顔を近付けて来た。この距離なら流石に聞こえる。
「ふふ、ヒ・ミ・ツ、だぜ。そうだな、ヒントとしては……五文字だ」
 そう言って、今度は声を出さずに一文字ずつ大きく口を動かす。大きく開いて、いってして、またいってして。……え、もしかして。
 最後の文字の名残りで唇を少し突き出したままダンデくんが楽しそうに目を細める。
「え、ぁ、あいしてる……?」
「ふふ、どうだろうな」
「えぇっ?」
 ヒミツだって言っただろうと頬っぺたを摘まれる。痛い。って事は夢では無い。でも今のは絶対に『あいしてる』だったもん。
 私の目線に合わせる為に屈んでいたダンデくんの首に腕を回す。相変わらず楽しそうに笑っているダンデくんも腰に腕を回してきた。
「わたしも、あいしてる……んっ」
 近距離なのに私も声を出さずに口を動かす。それでもダンデくんには伝わった様で、合わせるだけの軽いキスが繰り返される。ふふ。
 さっきよりも一段と酷くなる雨音の中、わずかに混ざる小さなリップ音が私たちの耳にだけ届いた。

dnd夢

2021/06/15(Tue)

dnd夢

「キャッ!雷怖いですダンデさぁん!」
「キミのモルペコが泣いてるぜ」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……電気溜めさせてきます」
「オレもガマゲロゲを連れて行こう」
「ダンデさん……っ♡」

dnd夢

2021/06/15(Tue)

hp夢

「ホップくん!」
「なんだ?」
「……」
 いつもならすぐに振り向いてくれるのに今日に限って振り向いてくれない。私はあの『肩とんとんして振り返ったら指が頬にぷすっ』ってヤツがやりたいのに。
 今の私は机に向かっているホップくんの肩に人差し指だけを上げて手を置く不審な女だ。ソニアさんのワンパチが不思議そうにこっちを眺めているのは気のせいだと思いたい。
「ねえねえ」
「だからどうしたんだ?」
「…………」
 もう一度挑戦してもやっぱり振り向いてくれない。少しだけむかっと来た私はもう片方の手を反対側の肩に置き、思いっきり強く肩を揉む。もはや握ると言った方が正しいかもしれない。
「肩揉んでくれるのか?気持ちいいんだぞ」
「…………」
 思いっきり強くやってやったと言うのにホップくんは気持ちいいと言う。やってられない。私は何も言わず、踵を返し側を離れる。
 ワンパチが遊んでくれるのかと目をキラキラさせて私を見上げる。可愛い。ホップくんが構ってくれないから遊んであげようかな。
「帰るのか?」
「……」
「なあって」
「…………」
 ホップくんの質問は無視して、ワンパチの首周りのふわふわの毛を撫でる。パチパチと起こる静電気が痛気持ちいい。
「怒ってるのか?」
「…………別に」
 それは怒ってる反応だぞと溜息が聞こえる。ふんだ、今更こっちに来たって構ってあげないんだから。
 無心でワンパチと静電気で遊んでいると、後ろからの光が遮られ私の影が大きくなる。ホップくんが後ろに立った様だ。
「ナマエ?」
「……」
「ナマエ、こっち向くんだぞ」
 いつの間にか私よりも大きくなった手が私の肩を叩く。肩を叩かれたら振り返る、人間にはそういう習性が付いているものなのだ。そう、さっき仕掛けた側だとしても。
「っ!」
 つい振り返ってしまい、右頬には指が当たる感覚……ではなく柔らかい何かが当たる感覚。そして思っていたよりも距離の近いホップくんの顔。え、これは……?
 驚きで目を見開いてホップくんを見る。ホップくんは目を細めてイタズラが成功した様に笑っていて。
「ほ、ホップくん、いま」
「はは!ナマエ顔真っ赤だぞ」
 肩に置かれていた手で頬を撫でられる。確かに私の顔は熱い。でも。
「……っ、それを言うならホップくんもだからねっ!!」
 二人で顔を赤くする私たちを、ワンパチは不思議そうに眺めていた。

hp夢


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