09

 最近の私は毎日がヘロヘロだ。モンスターボールに入り正式にダンデのポケモンとなったからなのか、私はダンデの指示に逆らう事が出来なくなった。
 それはつまり、トレーニングの激化へと繋がったのだ。

「ヤバチャ、次は」
『ダンデ、もう止めてやれ』

 せ、先輩……!今にも目を回しそうな私に更に次のメニューへ行こうとするダンデをリザードン先輩が止めてくれた。ありがとう先輩。頼りになるよ先輩。
 ダンデはリザードン先輩がもっと特訓をしたいのだと捉えた様で今日はこれくらいだと声を掛けて離れて行った。
 せ、先輩……!すまねぇ、オレのせいで……!!

『ヤバちゃん大丈夫?』
『だいじょばない……』

 キバゴ改め、最近進化したオノンドちゃんが心配そうに様子を見にきてくれた。なんだか進化してから一気にお姉さんになってしまって私は寂しい。
 ゴロンと瓶のまま床に転がる。真っ直ぐ立っているのすらしんどい。完全にオーバーワークだよ。

『あちゃ〜、ご主人なんで気付かないんだろうね』
『今までサボっていた分を取り戻すためだろ』
『わ、ギルガルドさん……』

 いつの間にか近付いて来ていたギルガルドさんの紫の瞳がギリっと睨みつけてくる。こわい、殺されるかも知れない。

『でも限度ってものが……。それにご主人は楽しそうだし』
『マスター程強くなる事に貪欲な人間は居ないからな』
『……』

 オノンドちゃんと顔を合わせる。それは確かにギルガルドさんの言う通りだ。ゲームでもそういう傾向はあった。でも、もう少し私の方も気遣って欲しい。
 言うだけ言ってスッと離れて行ったギルガルドさん。まだ暫くはネチネチと付き纏われそうだ。ちゃんとトレーニングする様になった事を褒めて欲しい。
 オノンドちゃんの可愛いおててでヨシヨシと撫でてもらっていると、特訓が終わったのかきのみを持ったダンデが近付いてきた。

「ヤバチャ、オノンド、お疲れ様だ!明日も頑張ろう」
「ノノ〜!」
「……チャ」

 ダメだ、返事をするのもしんどい。私の様子がおかしい事に気付いたダンデが手を差し伸べてくる。私もなんとか手を伸ばそうとするけど身体が液体化してしまって形を保たせる事が出来ない。
 慌てるダンデとオノンドちゃんの声を最後に目の前が真っ暗になった。

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