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「あ、あのう…ら、乱数くん…」
指がちぎれそうなほど紙袋が俺の手に食い込む。
「んーー?なあに〜?♪」
「ま、まだ巡るんですか…?」
「あったり前じゃーん!♪」
「う、…お、おも…」
「何かいった?」
「い、いえ…」
歩く度に女性にキャーキャー言われる飴村 乱数くん。
俺はその乱数くんの荷物持ちとして、今使われている。
なぜかって…、まあ乱数くんの頼みなら断れないなって…いや、まあ本音をいうと乱数くんが好きだからだけど…恋愛的な意味で…。
デザイナーとしての乱数くんはかっこよくてそんな乱数くんを見て俺は好きになってしまった。
だから何とかして乱数くんと連絡先交換して、こんなどこらへんにでもいる普通の男の俺と一緒に行動してくれるようになったのはとてつもなくすごいことなのだ。
あの乱数くんが俺を呼び出してくれるなんて…。たとえ荷物持ちでも!俺としては嬉しいし…。
「あー、なんか喉乾いたなぁ〜カフェでもいこっか!」
「え…お、俺と…ですか…?」
うれしい…乱数くんと2人でお茶できるなんて…!
嬉しくて顔が赤くなってしまったかもしれない。ニヤけそうになった時、乱数くんが言い放った。
「え?誰がなまえと、って言ったかなぁ!オネーさんたちと、に決まってるじゃーん!」
「あっ…う、うん…」
「なまえは荷物持ちなんだからさぁー外で待っててよ!☆」
「う、うん…」
や、やっぱりそうだよなあ…。
乱数くん天然ジゴロだもんなぁ…。
俺なんかと一緒に入りたくないよなぁ…。
言われるがままカフェの目の前のベンチに座ろうとした時、乱数くんがケラケラ笑い始めた。
「あははっ!!何本当に座っちゃってんのなまえ〜!ほら!カフェ行くんでしょー?」
ぴょこぴょこその甘い色の髪を跳ねさせながら笑う乱数くんに、「へ…?」と顔の力が抜けた。
「ぷぷっ!間抜けな顔〜♪ほらあ、行かないの?行かないならいーけどっ!」
俺1人で行ってオネーさんたちとお茶しよ〜っと♪
と、歩き出した乱数くんを見て立ち上がった。
「い、行く!俺も…っ、い、行きたいです…」
「……くすっ、なら早く来なよ〜」
俺をちらりと見て笑った乱数くんはすごく色っぽかった。
「は、はい…。」
こうやって嬉しいことがあるから抜け出せないんだ…。
乱数くんはまるで飴と鞭。
踏んづけられたりしても、結局乱数くん優しいんだ…。
嬉しくて思わずにやけたら、乱数くんから「キッモーい!」と言われた。
それでもいい、だって乱数くんがあとで甘い甘い飴をくれるんだから。
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