紫之創×男主
注意)捏造妄想こじれまくりです。
こんなこと誰が想像しただろうか。
目の前にいる紫之創という男子生徒は干したてふわふわの真っ白なタオルを俺の頭にかけてのぞき込んでいる。
「ふふっ、こうして真っ白に包まれているとお嫁さんみたいです。なまえさん今日も可愛いですね」
頬を赤らめて上目遣いをしている紫之創はかなりの可愛さだろう。無論ファンから見れば。
俺にとってはこの状況が意味不明でとにかく悪寒がしている。
『おいおい…勘弁してくれ…とにかくこの手を離せ紫之。こんな無駄に強い力があるなんてファンが知ったら嘆くぞ』
「そ、それはできません…こんな可愛い先輩、手放せませんよ…」
『いや、言ってることやばいぞお前…!』
俺はいつものように校内アルバイトで洗濯物を干していただけなのにいつのまにか、この1年の紫之創が付きまとってくるようになっていた。
きっかけ、それは何でもないようなことだったはずだ。
その日は強い風で干していた洗濯物が飛んでいきそうだと心配していると近くで紫之も干していて、案の定風が吹いて洗濯物が飛んでいきそうになっていたから手伝ってあげた、というだけだ。
それなのに、その日から紫之とは会う事にどんどん距離感が近くなっていって今では何故か壁に追い詰められることもしばしば…
ライブで見た時はかなり女子より高い女子力で可愛さ満開だったはずなのに、見かける時は無駄に男らしささえある。
「あ、なまえさん、ぼーっとしてると洗濯物落ちちゃいますよ。」
『あ、ああ…』
ぼーっとする原因もすべてお前のせいだぞ!なんて言えないが…
早く洗濯物を干して教室に戻ろうと、手早く干していく。
俺の洗濯物の量も多いけど紫之のやつはもっと多い。干している洗濯物を回収して、また洗ったばかりの洗濯物を物干し竿にかけている。
こんなに、たくさん大変だろうなあと紫之の分も手伝ってやることにした。
「…えっ?なまえさんそれ僕のですよ」
『ん?知ってる。こんなに多いと大変じゃん』
「て、手伝ってくれるんですか…?」
『うん』
「もう…そういう優しいところ、ずるいです。好きになるじゃないですか…」
『だろ〜俺は優しいからな〜…って、えっ?!最後…何か言った?』
「…す、好き、と言いました。」
『し、紫之…頭大丈夫か?』
「気づいていなかったんですか?」
『き、気づくって…そんなこと微塵も思わなかった…』
「僕、なまえさんのこと好き…ですよ。」
頬を赤く染めてそこら辺の女子でも顔負けの可愛さで見つめてきている。俺より身長が低いため必然的に上目遣いになっている。
これは恋愛的な好き、という意味だろうか。
いやどちらにしろ紫之は可愛いけど俺の恋愛対象は女の子だ。間違っても男ではない。
『ごめん…俺女の子が…』
「…女の子より可愛ければ好きになってくれるんですか?」
いや、今の紫之でも充分そこらへんの女子より可愛いと思うんだが…って思う俺は目がおかしいのか?
というよりも、その発言は自分がある程度可愛いということを自覚しているような…。
というか上目遣いでうるうる見上げられるとさすがの俺も紫之が男だとはいえ、ドキドキするわけで。
『うう…充分可愛いんじゃないか…?』
「ふふ、僕にとってはなまえさんの方が可愛すぎて押し倒したくなるくらいです。」
『ばっ!はぁっ?!何言っちゃってんの…?!』
「自分の魅力に気づいてないってある意味罪ですよぅ…」
『と、とにかく早く干すぞ! 』
紫之の言う意味が理解できなくて、紫之から逃れるようにして洗濯ものを手に取った。
心臓がうるさいのは気のせいだと自分に言い聞かせながら手早く進めていると、紫之が近づいてきて俺の腕を取った。
「なまえさん…。はぐらかさないでください。僕、本気です。」
掴まれた腕を見て、それから紫之の顔を見る。
真剣な表情で決してふざけている訳ではないということは伝わってきた。
『うぅ…だから〜…』
「ふふっ、大丈夫です。まだ時間はたっぷりありますから…♪頑張りますねっ♪」
『え、え?何を頑張んの…?』
「ふふふっ、決まってるじゃないですか、なまえさんを落とすって♪」
この目の前にいる後輩はいつも微笑んだり、はにかんだり、ファン曰く花のように笑ったり、困ったような顔をしたりすることしか見たことなかったはずなのに…。
今、俺の目の前にいる紫之創という男はまるで不敵だとでも言うように自信に満ち溢れたような目で俺を見ている。
狙った獲物は絶対に逃がさないとでもいうように…。
『み、見んな。』
「可愛い…♪」
干したての真っ白で大きなタオルがふわっと舞い、俺と紫之を包んだ。
真っ白な視界の中で紫之の顔が近づいてきて、頬に柔らかいものが触れた。
紫之の長い睫毛が顔に触れて少しくすぐったい。
『おおおおい!何して…!』
「ふふっ、照れてるんですか?」
少し赤みを帯びた頬を緩ませて紫之が覗き込んできた。俺は決して男なんかにドキドキしたりしないし、女の子が好きなんだ!!とさっきまで思っていたのに…
きっと紫之とは比較にならないくらい真っ赤だろう俺を見て微笑む紫之にそんな考えもどこかに行っていた。
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