鬱な高峯翠×先輩男主
〜鬱の人に対して注意すること〜
・励まさないこと
・否定しないこと
・受け入れ理解すること
「ねえ…なまえ先輩…。もう帰りましょうよ…だるい…家で寝たい…」
図書館で勉強する俺の横で何もせずカバンにつけているゆるキャラのキーホルダーを手でいじりながらうじうじしている男。高峯翠。
俺の彼氏。
鬱彼氏。
いつもうじうじしてて正直面倒臭がりな俺はいつもイラッとしてしまう。
「……だるいなら、帰れば?俺一人でやるし。」
「………そうですよね、なまえ先輩、俺のことウザイって思ってますよね…。確かにそうかも…俺ウザイですよね…」
出たぁぁぁぁ、いつものうじうじタイム!
「…っ、しつこい!うざくないって!」
「……でも怒ってる…」
うざくないと言ったのに納得いかないのか不満そうだ。
何だって、この鬱全開の高峯翠が俺の彼氏かというと、時は遡り半年前。一個下の後輩として入学してきた高峯翠に俺の何が良かったのか知らないけど言い寄られたのが始まりだ。
最初はうざい、と受け流してたんだけどだんだん…俺を見つけるといつもそばにくるし、終いには「なまえ先輩が付き合ってくれないと、学校くる意味がない、付き合えないなら生きる意味がない、死にたい」とか言い出したから、俺は不可抗力で付き合うことになってしまった。
だって俺のせいで死なれたら困るし…。
まあその時の高峯は犬みたいな喜びようだったから少し可愛いなとは思ったけど。けど…。
鬱は治らず。
こうしていつもいつも俺の隣でうじうじしている。
「なあ、てか高峯今日部活あるんじゃなかったの?行けよ。」
「……。今日は休みになったんで…。」
「…ほんとかよ。」
「…だるいし…なまえ先輩の隣にいる方がいいし…」
「いやいや、頑張れよ!皆高峯の活躍に期待してんだぞ?やればできるって!」
【励まさないこと→アウト】
結果、さらにぐずぐすしはじめた。
***
「あ、衣更〜、俺今日当番だからそれ持ってくよ。」
「ん?ああ、ついでだしいいよ」
「えー?まじ?悪いな。じゃあ今度なんかヘルプすることあったら俺に言えよー」
「おう、さんきゅー」
日直は俺だというのに職員室に持っていくものを衣更がついでだと言って持っていってくれたため手持ち無沙汰になった俺は教室の鍵閉めをして帰ろうとしていた。
「あ、なまえ先輩。もう帰るんですか?」
「おー、もう帰る。」
階段を降りているとちょうど高峯と鉢合わせた。
「帰る時は教えてください、って言ったじゃないですか…。」
「だってお前レッスンとかあるじゃん。」
「…一緒に帰りたいです…」
「…レッスン終わるまで待て、と?」
「……待ってくれたら嬉しい…」
「無理。帰る。」
「えっ…」
何時までやるかわからんのに待ってられるか。俺は家帰ってゲームしたいんだ、と帰ろうとしたらカバンをぎゅうぎゅうと引っ張られて動けない。
「もー、なんだよ。」
「…なまえ先輩、俺のこと嫌いなんですか…」
「はぁ??何でそうなる。」
「…俺と帰りたくないんでしょ…。やっぱり俺のこと嫌いなんですよね?」
出たぁぁ!ぐずぐずうじうじタイム!
早く帰りたい俺は元々短気なためプチッと切れた。
「はぁ、そういうとこ、めんどくさい。」
言ってしまってからしまった、と思ったけど遅かった。
高峯は俯いて表情が分からない。
【否定しないこと→アウト】
結果、高峯の鬱度が増した。
***
「…と、…ですか……」
「……なに?」
めんどくさいと言ってしまい、俯いた高峯がぼそりと呟いた。
うまく聞き取れなくて聞き返す。
途端、高峯がバッと顔をあげた。
高峯は階段の一段下にいるため目線が同じになる。
「…っ、えっ、」
「なまえ先輩、ひどい。」
深く傷ついたような顔で俺を見る高峯に、俺も罪悪感を感じた。
「……だって、お前がう、じ」
うじうじするからだろ、と言う前に高峯の両手が目の前にきて、両頬を包まれた。
1年生にしては落ち着いた雰囲気の高峯の顔が近づいて抵抗する間もなくキスされた。
パッ、とすぐに離されたけど俺はびっくりして口が開いたまま。
「な、にしてんの。」
「だって先輩がひどいから…」
「いや…意味わかんねえし…」
俺がひどいからって何でキスするんだよ…。
「したくなったんです……。先輩が俺のこと嫌いなら、拒否するかなって…。でも拒否しなかったら先輩俺のこと嫌いじゃないんですよね…?」
ごめん、ほんと俺はお前の思考回路が分からないよ。
「はぁ…どうせ嫌いって言ったら死のうとするんだろ…」
「……嫌いなんですか?嫌いなら生きる意味ない、死にたい…」
「あーあー、嫌いじゃないから。好き好き。」
「ほんとですか?こんな俺でも好きですか?」
「……好きだっつの。」
【受け入れ理解すること→ギリギリセーフ】
結果、鬱彼氏は治ることなくさらにこじらせ俺に無茶振りをふっかけてくるのであった。
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