束縛仁兎なずな×後輩男主
「仁兎先輩、それ持ちましょうか?」
重たそうな機材を両手で抱え込んでそろそろと歩く後ろ姿を見て、一目で仁兎先輩だと分かった俺はその後ろ姿に声をかけた。
「お?なまえ?」
ひょいと横から奪ってみたけど案外どっしりと重かった。
「重た!」
「だろ〜、ありがとな」
「自分の体考えずにこんな重いもの持って…ふふ、男らしいですね」
「あったり前だろ!男なんらから!」
ぷくりと頬を膨らました仁兎先輩を見て、笑いが出た。仁兎先輩と俺は付き合っている。
俺より背が低い年上のこの人となぜ俺が付き合うことが出来ているのか今でも不思議に思う。仁兎先輩と出会った頃はまさか好きになるなんて思いもしなかった。それでも俺は話すうちに好きになっていったから今がある。
仁兎先輩は過去も色々あって、今は新しいユニットでまた輝いている。平凡な俺にはとくに今まで何もなかったけど、この1つ年上の先輩は色んなことを経験して感じてきたんだなあと思うとやっぱり年上だなと思わされる。
「ん?なまえ?」
ちらりと横目で見ていたのに気づいたのか、仁兎先輩は俺を見て首を傾げた。その姿でさえ可愛らしい。何でこんな平凡な俺を好きになったんだろう?と思うくらいだ。
「んー、仁兎先輩、って先輩だなって思って。」
「はぇぇ?そらそうだろー。だってなまえより年上だもんな!」
「ん、そうですね。」
「むー、なんかその落ち着いた感じが年下って感じじゃない…」
「えー、そうですかね?」
2人で並んで歩いていると後ろからトスッと背中に軽く衝撃があった。
「ん…?」
機材で塞がれた両手のまま振り向いたら、オレンジ色の頭に後ろでひとつに括った髪がぴょこりと動いた。
「んーー、最後はこうでなきゃな!わはは、湧いてきた!」
白い紙を手にぐしゃりと持って、5色のペンを器用に指に挟んでいる月永レオ先輩だった。
「レオ先輩…、後ろ向きに歩いたら危ないですよ」
「ん?あ、なまえじゃないか。わはは!両手塞がってるのか!いつも口うるさいからこうしてやるっ!」
レオ先輩はきゃっきゃと笑いながら、5色のペンを俺の首筋につんつんとしてきた。
「ひっ、くすぐっ、た、や、」
「…っ、おい!レオちん!」
くすぐったくて変な上ずった声が出た俺に、仁兎先輩は自分の赤くて丸い目をさらに大きくした。
「あ〜ナズ?小さくて見えなかった!わはは!可愛いなぁ!!」
「こらっ、なまえが嫌がってるらろ!やめろよ!」
「だーって、なまえいつもうるさいんだもん。お母さんかっ!あっ!また湧いてきた!わはは!早く書かなきゃ!」
嵐のようにレオ先輩はきゃっきゃと去っていった。
「はぁ…何か疲れた。」
「……、なまえ早く行くぞ。」
仁兎先輩は去っていったレオ先輩の方をじっと見て、それから何だか怒ったように俺の腕を引っ張った。重たい機材で両腕が塞がれているのに引っ張るものだからきつい。
「ちょ、仁兎せんぱ、い」
機材室に足早に連れていかれ、下の奥の方へ置いてほしいという指示に従って、腰を低くして重たい機材を置いた。その時、上に乗せていたペンがころりと奥の方に転がってしまい、取ろうと四つん這いになる。
機材の奥に行ってしまったペンへ手を伸ばして、あと少し。
「ぁっ!」
ペンに指先が届くかというところで、お尻にさわりとした感触が走った。上から下に撫でるように。そして、下からお尻のラインを手のひらで楽しむかのように撫でるそれに俺はびっくりして変な声が出た。
「に、仁兎先輩?!」
機材室には俺と仁兎先輩しかいないので、このお尻を撫でているのは仁兎先輩だろう。
びっくりして四つん這いのまま後ろを見た。
仁兎先輩もしゃがみこんで、片手で頬杖をついている。もう片方の手は俺のお尻を撫でたままで。
「…俺の家の兎もこんな丸いお尻なんだよ。こうやって…、撫でてあげると気持ちよさそうなんだ。」
お尻の下から撫でたかと思えば、俺の尻の肉を揉みしだくその手に震えてしまった。
「ふっ、ん…、ちょ、」
だんだんとエスカレートしていくその行為に俺は力が入らなくなりそうでへこりと力が抜けて腰を突き上げるような形になった。
おかしい、仁兎先輩の声が少し怒っているような感じがする。怒らせるようなこと何かしたっけ。
「に、と、せん、ぁっ」
仁兎先輩の親指がグリッと後ろの際どいところを掠めた。それから、クリクリと狙ったように上下に擦るそれに内腿を擦り寄せてしまう。
「に〜ちゃんって呼んでって言っても呼ばないし、なのにレオちんは名前なんだ?」
「ぇ…?、な、に」
「仁兎先輩って、何でそんなよそよそしい呼び方なんだろうな?なんでだろう。」
仁兎先輩の触り方がいやらしすぎてお尻どころか、太ももや腰まで撫でられる。
「…ご主人様は俺なんだぞ…?」
こてりと首を傾げた仁兎先輩と体が熱くなってじわりと汗ばむ俺は目が合った。
兎みたいに真っ赤な瞳が俺をまっすぐ見ていて少し怖い。
ああ、わかった。俺がいつも仁兎先輩って呼ぶのに、レオ先輩に大しては名前で呼んでいるから怒ってるのかな。
「ご、めんなさぃ…な、ずな…さ、ぁ、んっ」
人差し指でグリグリと服越しに後孔を刺激されていたけど、ぴたりと止まった。
「…ちゃんとそう呼んでくれるなら許してあげようかな。」
にこりと微笑んだなずなさんはやっぱり可愛さが売りなだけあってそこらへんの女の子より何百倍も可愛いものだった。
「に〜ちゃんでも、なずな先輩でもなくて、なずなさんか…♪ふふっ、おりこうさんらなっ♪」
嬉しいのか少し噛んだなずなさんはへたっている俺をぐいと起き上がらせ、ちゅ、と唇を合わせた。
「なまえは俺のものなんらから、そこらへん分かっとけよ?」
「は、い…」
なずなさんの喜ぶことが当たり前だと思う俺は何の戸惑いもなかった。すんなりとそれが当たり前だと受け入れた。
可愛いのにどこかで男らしいところもあるなずなさんにすでに飼い慣らされていることなんて自分でもわかっている。
反抗はしない。だって俺のご主人様だから。
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