「体育この天気で外でやるってわけぇ?暑すぎるし汗かきたくないんだけどぉ」

セットした髪も崩れるし最悪とぶつぶつ言いながら制服を脱ぎ始める瀬名を視界に俺もスクールバックの中から体操服を出した。

次の授業は体育。

体操服に着替えてグランドに集合だ。

白地に学年別に分けられている緑色の線が入ったの体操服を手に俺も制服を脱ごうと手をかけた。

「今日は何するんだろうな!楽しみだ!」

「ああ、ほんと守沢だけで暑苦しいのにさらに地獄見ろって?」

「早く着替えよう!」

自分の席の近くで着替え始める。

瀬名と守沢に、珍しく羽風も体操服を取り出していた。

意気揚々と守沢が一番早く制服を脱いだ。

守沢が上半身丸裸で体操服の上を手にした時、瀬名が守沢の体を見た。

「意外。守沢、結構筋肉ついてるじゃん。」

「ん?そうか?体動かしてるからかも知れないな!」

「ふぅん。まあ俺も負けてないけどね。」

そう言うと瀬名も上半身裸になった。

「おおっ!瀬名もすごいな!鍛えてるのか?」

「当たり前でしょぉ?俺を誰だと思ってんの?モデルなら当たり前のことだから。」

瀬名も見かけによらず服の下はすごかった。

俺は視界に入る瀬名と守沢の体を見ただけだからそこまでじっくりと見てはいないけど同い年の平凡人間からしてみると羨ましいくらいだった。


「へー、2人ともすごいね。俺とか何にもしてないからちょっとしか筋肉ついてないなー」

「かおくん、恥ずかしがんなくていいよ。ほら、見せてみなよ。」

瀬名がニヤリと笑いながら羽風に話しかけた。

「いやいや、見せられるもんじゃないけどさぁ」

そう言って脱いだ羽風の体は瀬名と守沢に負けず劣らずしっかり筋肉がついていた。

「はぁ?さっきあんだけ言っといて筋肉ついてんじゃん、チョ〜うざぁい!」

「えー?まあサーフィンしてるし?」

「うざっ!」

「おお、羽風の腹筋すごいな!ちょっとさわ、」

「いやいやいや、腹触るとかやめて?!女の子なら大歓迎だけどもりっちに触られたら鳥肌しかたたないから!」

「ん?少しだけだぞ?普段自分の筋肉しか触ることないし…ちょっと触らせてくれ。」

「いやいやいやいや、ちょっ、ちょっ、来ないでよ!!いやいや、まじ!」

それから守沢と羽風の追いかけっこが始まった。

教室内をぐるぐると走り回る2人を傍目に瀬名はもう体操服の上を来て呆れていた。

ようやく守沢が諦めたところで三人がまた固まって話し始めた。

「いやー、でも割と皆筋肉ついてんだね。まぁうちのアドニスくんほどではないけどさ」

「あれは別物でしょ。あれと比べないでよ。そう言ったらうちのなるくんだってついてるからねぇ」

「む!高峯も南雲も1年なのにいい筋肉してるからな!」

お互いの後輩の話をしているうちに俺はズボンを履き終えて後は上を脱いで体操服を着るだけだった。


「……なまえくんはどうなんだろう。」

ゴクリという音が聞こえた。

嫌な予感がしてきた。

三人の視線が一気にこっちに来てかなり着替えにくい。

こうなるなら上を早く着替えておくんだった。

お前たちみたいに俺は筋肉もついてないしどっちかっていうと肉?皮?だけで筋肉は微々たるものくらい。だから、興味なんて持たずに早くグランドにいってくれと思ったけど視線は外れない。

俺は渋々制服のシャツを手をかけて1つ1つボタンを外していく。

三人とも黙っているのがまた着替えづらい。

こうなれば早業でいくしかない。
シャツをバッと脱いだと同時にすぐに体操服を被った。

自分では頑張って早業で着替えたつもりだった。

「ちょっとぉ…見た?」

「見た見た。」

「なまえのお腹…滑らかだったな…」

「なんか柔らかそう。」

「絶対触り心地いいよね。」

いや、ほんとお前らやめてくれ…。
男としてのプライドがズタズタになり泣きそうになりながら制服を畳んで俺はすぐに教室から出た。

それから体育の授業で3人の腹チラが見える度に俺は今日から腹筋しようと思うのだった。



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