※捏造…許せる方のみどうぞ↓


吸血鬼兄凛月×人間弟男主



小さい頃、お兄ちゃんという存在がいて2人だけでも楽しかったし、お兄ちゃんは俺とたくさん遊んでくれていた。ま〜くんも一緒だったし、楽しかった。

でも、俺は弟が欲しかった。

俺みたいに、お兄ちゃん、お兄ちゃん、って笑いながら駆けてくる弟が欲しかった。

だからお願いした。

「ねえねえ、おかあさん」

台所に立つ母親のスカートをくいくいと引っ張った。

「あら、りっちゃん、どうしたの?お兄ちゃんは?」

「いま、ま〜くんとあそんでる。」

「そうなの?りっちゃんは遊ばないの?」

「いいの。それよりね、りっちゃんおとーとがほしい!」

「え…?」

「りっちゃんね、おとーとがほしい!おとーと!」

「お、弟…?」

「うんっ、りっちゃんのことおにーちゃん、って、よばれたい!」

「う、うーん…弟ねぇ…もうお母さんは…」

母親が何で苦笑いするのか分からなかった。

「おにーちゃんがあかちゃんはどうやってくるのってきいたら、コウノトリがはこんでくるんだよっていってた!だからおとーと!つれてくるようにおねがいして!」

「れ、零ちゃん…」

「おとーと!おとーとがほしい!」

「り、りっちゃん…弟は残念だけど…お母さんは零ちゃんとりっちゃんの2人がいるだけでとてもしあわ「おとーと!おとーとがほしい!」

母親の足に縋りながら泣きつくように上を見上げた。

長い黒髪をハーフアップにした母親の口元が引きつってることなんて小さい俺には分からなかった。

「おとーとがほしい!おとーとがこないならなにもいらない!たべない!ねない!おとーとさがしにいく!」

それから俺はそんな無茶苦茶な要求を三日三晩泣きわめきながら訴えた。

お兄ちゃんが色々と話を説いてくれたけど、俺に理解はできなかった。とにかく、俺のところにおにーちゃんと言って駆けてくる弟が欲しかった。


聞き分けの悪い俺に皆疲れ果てたのか、それから暫くして、ついにコウノトリが弟を運んできてくれた。

俺より幾分か体は小さくて髪は真っ黒。年は一つ下だと言う。べつに赤ちゃんじゃなくても弟ならなんでもよかった。小さなもみじみたいな手が可愛かった。

「ほら、りっちゃん、弟のなまえくんよ…?」

「なまえくん、なまえくんのお兄ちゃんの零、凛月よ。今日からなまえくんは私たちの家族だからね」

「おとーと!!なまえ!なまえ!」

本当にコウノトリが俺の弟を連れてきてくれたんだと、嬉しくて嬉しくてその場でなまえにぎゅうう、と抱きついた。

俺よりも小さな体のなまえはあったかくて、本当に弟だ…と実感した。

「…お、おにーちゃん…」

その小さな唇からぽそりとこぼれ落ちた声に俺はますます嬉しくて手を握って抱きついた。

「きょうからりっちゃんがおにーちゃんだよぉ。」

やっと出来た、俺の弟。
お兄ちゃんにだって、ま〜くんにだってあげない。俺だけの弟。

コウノトリさんにあとでお礼言っとこう。
それが俺の願い事が叶った人生初めての日だった





*****


「なまえ、パン買ってきて。だるいからもう寝る。」

「えっ…、俺今日購買じゃないもん…」

「はぁ?俺の言うことが聞けないの?早く行ってこいよ」

なまえの耳元でぼそり、と喋るとなまえはびくりとして駆けていった。

すぐに息を切らして真っ赤な顔でハァハァしながらパンを持ってきたなまえをせせら笑った。

「はぁっ、はぁ、これ…はい、お兄ちゃ「うるさい。そう呼ぶなって言ったよねぇ?」…っごめんなさい…」

お兄ちゃん。

小さい頃から何度呼ばれたか分からないけど、いつの日からか俺のことをお兄ちゃんと呼ぶのをやめさせた。

だって、コウノトリは赤ちゃんを運んでくるわけがないし、なまえはうちの子でもなんでもない。

それに気づいた時から俺はなまえを血の繋がった家族という枠から除外していた。

「あー…陽射しが痛い…。溶ける。日傘ちゃんと持ってきてよねぇ。」

俺は庭園の方に行こうと歩き始める。もちろんなまえも日傘を持って来るのが当たり前なのについてこない。

イラッとして振り向いたらなまえはたじろいだ。

「えっと、俺、零兄ちゃんとご飯食べる…から…」

「は?ふざけてんの?」

「えっ、いや、…」

「なまえに選択肢はないよね?」

俺の真っ赤な瞳がなまえの真っ黒な目を見る。

それもまた、血が繋がっていない証。

昔から俺に反抗したり、反対するとひどい仕打ちが待っているのは体に染み込んでるんだろう。

困ったように考えてから、携帯を取り出してポチポチと打っていた。多分兄者にでも断りの連絡を入れたんだろう。

「早くして。」

俺が歩き始めれば日傘を持ってテトテト、走ってくるなまえ。

庭園の大きな木の下に陣取ってなまえが買ってきたパンをあける。

1口だけ口に含んで、あとはいらないとなまえに渡した。

「え、っ、たべないの…?」

「もう食べた。今は別のものでお腹空いてんの。」

「え…?」

寝っ転がる俺に逆光してなまえは後ろから太陽の光を浴びている。

ほら、太陽に当たったって平気ななまえはやっぱり血は繋がってない。

母親にすがりついて欲しがった弟はどっかから連れてこられた独りの幼児だったってわけだ。それも平凡で何にも取り柄のない人間。たまに、へらりと笑って俺の機嫌をとる事しかできないやつ。

「喉が乾いてるってことぉ。」

ぐい、となまえを引き寄せて、目の前に晒された首筋を舐める。

「ひぇ、っ…」

色気も何もない怯えたような声に兄者みたいにくくっと喉がなった。

ぺろりと舐めたところは、前回の噛み跡。少しずらしたところに一気にかぶ、と噛んだ。

「ぃっ…、ぁ…、おに、ちゃ、…っ」

なまえは痛い時はいつもこうやってお兄ちゃん、って助けを乞う。

緩めてなんかやんないよ。

さらにじゅるり、と吸って話すとなまえは涙目でこっちを見た。

「……痛い…」

そんなことを言うなまえに俺は悪びれもせず、「もっと鉄分取ったら?不味い。」と言った。

「じゃあ…飲まなきゃいいじゃん…」

「…なんのためになまえが今日まで生活出来てると思ってんの?太陽に当たったって平気ななまえはただの人間だからねぇ?俺たちと血なんて繋がってないんだよ?」

何度言ったかわからないこの話。
これを聞く度になまえは俯いて唇を噛む。

「なんで連れてこられたかわかる…?」

耳元でこそり、と囁いた。

「なまえは…俺の餌なの♪可愛い可愛い俺の弟は俺だけのものなの♪」

甘い声で言ってやるとなまえは目を涙を溜めていた。

「俺がいらない、って言ったらなまえは不要になるんだからね?俺がいないとなまえは生きていけないんだよ。ね?わかる?」

コクコク、と頷くなまえにニヤリと笑みが漏れた。

「お兄ちゃんの言うことは、絶対。わかってるよね?」

「う、ん…。」

いい子…♪と腰を撫でた。

別に俺がいらない、と言ったってすでに家族から愛されてるなまえは生活に困らないし、むしろ兄者が手を出すかもしれない。

それを俺は守って上げてるだけ。俺の方法で。

だって俺のだもん。
俺だけの弟だもん。

お兄ちゃんという絶対的存在をなまえの中に作り上げて俺がそこに居座る。これほど幸せなことはないよね。

だから、俺は今日もなまえの血を啜る。

俺のものだ、という証を首筋に刻み付けるんだ。



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