<なまえくん!今日は遅かったね>

帰宅後、即行PCを起動していつものネトゲにログインすると瞬時に真からチャットが届いた。

≪おー、おつかれー。今日は友達と遊んでて帰るの遅くなったからなー≫

仲のいいゲーム好きな友達とゲーセン行ったり、ご飯食べながらゲームしたり。

そんなことをしているとあっという間に日が暮れて帰ってきたのは割と遅かった。

それを真に伝えるとしばらく返信がなかった。

≪おーい、生きてる?≫

<あ、ごめん。生きてるよー…。>

何か文面が元気なさげだ。

≪もう今日は終わった?俺今からちょっとだけ軽いクエストやって寝るわ。≫

<なまえくんが来るまで待ってたからまだ何もやってないよ!僕も一緒に参加するよ!>

え、俺を待ってたのか。それは悪かったな…でも約束してなかったし待たなくてもよかったのに。

≪ごめん。約束してれば早く帰ったんだけど…。≫

<ううん!気にしないで!僕が勝手に待ってただけだから!あっ、通話しない?>

通話か…。

通話。これ、最近多いんだよな。真と1回オフ会してから
、真はゲームで会う度に通話しないかと誘ってくる。

俺としてはチャットもすぐに打てるから別になくてもいいんだけど…。

毎回通話してるから流れでいつも通話している。

≪おー、いいよ。≫

返信するとすぐに通話音がパソコンから流れた。

「なまえくん!今日はどこ行ってたの?学校の友達?何人で?」

おお…これが質問攻めというやつか。

「店でバーガー食べながらゲームしたり、ゲーセン行ったり、俺友達少ないから3人くらいで遊んだよ」

「そ、そうなんだ…。僕もゲーセンとか好きなんだ〜!一緒に行こうよ!」

「おー、また今度なー」

真とは学校も違うしいつ会うかなんて分からないからまた今度と濁した。

「…。今週の日曜日とか…どうかな…っ」

「えっ、今週?」

「よ、予定あるかな…」

「いや、基本俺暇人だし。ゲーム一日中やろうと思ってた」

「じゃ、じゃあ…っ!」

そうして真の唐突なお誘いから日曜日に遊ぶことになった。



****


「なまえくん!お待たせ!」

「おお…」

いつ見てもやっぱり俺とは何かが違う感が否めない。もちろんいい意味で。

待ち合わせ場所に来た真は今日も活かしたセンスでばっちり服を着こなしていた…。

「その服…いつも真が選ぶんでるのか?」

「あっ、うん。へ、変だったかな?!恥ずかしい…」

「いやいや、違う違う。めっちゃ似合ってるからセンスいいな〜って」

「えっ、ほんと?!なまえくんにそう言ってもらえるなんて嬉しいな…」

照れたように頬をかいた真は続けて言った。

「…小さい頃にモデルやってたことがあって…服とかは結構好きなんだ…」

MO☆DE☆L☆!

す、すげぇ…だからそんな卓越したセンスなのか…。俺なんか未だに親が買ってきた服なんだけど…。たまに自分でも買うけどさ…。

「す、すげえな…」

隣で歩く真を見上げてみる。俺なんか地味な黒髪で平凡な顔立ちだけど、真ほど整った顔ならモデルも頷ける。

「…あんまりいい思い出はないんだけど、なまえくんには僕のこと知って欲しくて…」

「おお…」

そんな言葉、女子が聞いたら勘違いするぞ…。

それから俺たちはゲームセンターに向かい、格ゲーやシューティング、UFOキャッチャーとか色んなゲームを楽しんだ。遊び疲れて、マ〇クに入ってからはバーガーとシェイクを飲みながらまたゲーム。

持ってきた携帯ゲーム機でオンライン対戦をした。

「うお、やべっ、この人危ねぇわ。俺殺す気かよ」

「えっ、なまえくん大丈夫?!助けにいく!」

ゲームの中で瀕死状態で倒れてる俺のところへ真がやってきて蘇生魔法をかけてくれた。

「ありがと。よかったー死ぬとこだった。」

「死なせないよ…!何があっても僕が守るから…っ!」

え、と思ってヒーローみたいな言葉を言った真を見た。
まさか、真からそんな映画みたいな言葉が出ると思わず口が開いた。俺の目を見て、守るからね!という真にぽかーんとしてた俺はふと画面に目を戻すとGAME OVERの文字が出ていた。

「ああっ!!終わった!」

「ええっ!ご、ごめんなまえくん…」

「いや…全然…真ネトゲでもいつも俺のこと助けてくれるもんなー。ほんと助かる。よし、もう一回するか」

「………。」

「真?」

「この世界では隣でなまえくんを守りたい…な…」

「…ん?」

小さな声で聞こえなくて、首を傾げた。聞き返すも真はふるふると首を振った。

「っ、な、なんでもない!」

ほら、やろっか!と率先してパーティーを組み始めた真に習って俺もゲームに戻った。真の顔をチラ見すると、頬を真っ赤にしてゲーム画面を見つめている。

…俺は見なかったことにしてAボタンを押してゲームスタートした。

「ねぇなまえくん…」

「ん?」

「なまえくんって好きな人とかいる…?」

好きな人…?なぜまたそんなことを?

「好きな人は別にいないな。」

「そ、そっか…!」

嬉しそうに笑った真はいきなりバッタバッタと敵を倒し始めた。

「うわっ、真強くね?これワンチャンあるわ。いける!」

「そうだよね…僕にも…可能性はあるってことだよね…」

「あるある!」

「…っ!そ、そっか…僕、頑張るよ!」

「うしっ、頑張ろ!」

そう言った瞬間、真の一撃が敵ボスに大ダメージを与えてゲームクリアになった。

「おおっ!早かったな〜すげ。」

「なまえくん…っ!僕、手に入れるために頑張るから…!」

…もう勝利は手に入れたぞ?

「お、おお…」

意気込む真は俺の手を握ってきた。ぐいっと近づいてきて端正な顔が目の前に広がる。

「真…?」

「な、なに…?」

「近い…」

慌てて俺から離れた真は耳まで赤くなっている。

…気にしないようにしよう。

咳払いをしてまたクエストを受注する。
この後、俺と真はゲームでさらに盛り上がった。

「楽しかったな〜」

「うん!ありがとうっ!また遊んでほしいな…!」

「おう。また行こうな」

「あ、あのさ!」

「ん?」

「僕、毎日、なまえくんのログイン待ってるから…!」

「え…」

真面目な顔で言われた俺は頬を引きつかせながら真を見た。

……これは…まさかな…?



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