「なあ、真緒。俺すごいことに気づいたんだけど話していい?」
「何に気づいたんだ?」
休み時間。教室で隣同士の真緒に今気づいてしまったすごいことを話そうとしていた。
「さっき授業中にさ、俺ほんとすごいことに気づいて。今の1年って姫宮桃李とか、紫之創とか、女子並のやつらいっぱいいるじゃん?」
「んんー?でもあいつら男だぞ?」
「いや、そりゃわかってんだけどさ。見た目可愛いじゃん?俺らと違って。」
「まあ…確かに可愛いっちゃ可愛い系かな?」
「だろ?で、まあ一年だし去年まで中坊だったやつらだ。そりゃまだまだ成長するだろうし頷けるわけだ。」
「うん」
「で、ここでだ。じゃあ2年より上にはそんな人間はいないかというとだな。いるんだなこれが。3年の仁兎なずな先輩。なずな先輩も可愛いだろ?」
「うーん…まあ…可愛い系かな」
「だろ?それが売りだろ?でな、俺気づいたんだよ…」
「何に?」
「……俺ら2年にそんな人間がいないってこと!!」
「は?」
「俺らの学年、女子並に可愛いやついないだろ?だからさ…均等とれてないなって…。世界はうまいこと均一されて回ってるってどっかの本に書いてあったような気がしてな。で、そんな女子並のやつがいないから俺ら2年にも必要だと思ったわけ。」
「………。」
「おい、そんなつまんなさそうな顔すんなよ。」
「いや、どうでもいいっつうか…」
「でな、女子並の人間。作るしかないだろ?な?だからな、俺が犠牲になって、姫宮桃李とか紫之創みたいに可愛いかっこするしかないかなって…」
「…はぁ???」
「どう?いいアイデアじゃない?」
「ねぇ、待って。どっからどう見ても男のなまえがは〜くんみたいな子しか似合わない可愛い格好するってぇ?周りの目腐らせたいの〜?」
近くの席で突っ伏して寝ていたはずの凛月があくびをしながら俺たちの机の横に来ていた。
「え、でもそうするしかないじゃん?だって俺ら2年に女子並のやついねえし…」
「100歩譲ってそういうキャラを作るにしても、なまえが、…例えばミニの太ももさらけ出すズボンに肩むき出しの衣装来てうさ耳付けるとするわけでしょ?どう?ま〜くん想像できた?」
「うん……目を逸らしたくなる光景だな…」
「えっ、お前らひどくね?!」
「それだけひどいってことでしょぉ?」
「えーなんかムカつく。俺がせっかく犠牲になってやってやろうと思ってたのに…。あ、でもさ、考えてみれば2年でそのポジションに近いのって凛月じゃね?」
「は?」
「顔、どっちかっていうと可愛い系?だし、なんかいつも丸まってるし、いいんじゃね?路線変更で。うさ耳つけて、」
「今すぐミンチにしてあげようかぁ?」
「まて、凛月落ち着け。なまえも頭がぶっ飛んでるだけだから」
「おい、ごら。聞こえてんぞ。まあ、凛月がだめならみかくんでもいけるか…」
「なまえはまずその可愛い系のキャラを作るという発想をやめろ。」
「え?でも1年も3年もいるのに俺らだけいないのはなあ…やっぱ俺がうさ耳でも猫耳でもなんでもつけるしか…まあ…太もも出すのはちょっと…ごついからやばいかな…まあ剃ればイケるか。」
「イケねえよ!」
「えー…弓弦はどう思う?」
これまた近くに座ってる弓弦に声をかけた。
ピカピカと綺麗にされた机の上でクマの人形をつくるのに忙しそうだけどゆっくりと顔を上げてこっちを見た。
「…先程お話しているのが聞こえていましたが、仮にそれを実行するとして、みょうじさまのそんな姿、公衆の害でしかありませんね。」
「えっ!ひどくね?!」
「もーなまえも自分のその姿想像できないだろ?」
「いや、出来るぞ?うさ耳つけて、ニーハイで絶対領域作って、うさぎのしっぽもお尻につけて歌って踊る。」
「想像しただけでゲロ吐きそう。」
「凛月ひどっ。俺だけじゃなくて他の皆でも想像できるぜ?この2-Bの皆でうさ耳つけて、絶対領域姿でうさぎのしっぽをふりふりしながら踊る。どう?想像できた?」
「やめろやめろやめろ。俺の頭の中で2-Bの皆でそんな格好で踊るという映像が流れ始めた!」
「おお、さすが真緒。やっぱイメトレ力強いんだなー」
「うげぇ、気持ちわる。寝て忘れよ。」
「やばい、もう次の授業始まるわ。この話はまた後でな。」
「やばい…俺の頭の中が大変なことになってる…やばい…」
それから授業中、真緒はずっと青ざめてるし、凛月はずっと寝てた。
授業が終わって真緒の「ずっと頭の中がカオスだったぜ…」という発言に俺と凛月で爆笑した。
後日、大神にうさ耳つけて遊んだのはまた別の話。
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