02
「ふむ…それで2人ともこの子を私のところに連れてきたということか…」
「お忙しいところすみません…。でも一二三が連れて帰ってきた時、結構ボロボロで…一応手当はしたんですけど…先生に見てもらったほうがいいかと思って…」
「そうだね、彼の傷は全体的には軽いけどきちんと消毒することが必要だったからもう大丈夫だよ。」
「…っありがとうございます!」
俺は2人の男性、一二三さんと独歩さんに連れられて大きな病院に来ていた。
歩いてる途中も2人の身長は高くて、目線は常に低い。やっぱり俺の体は縮んだみたいだ…。
向かい合わせに座っているのは疎い俺でも知っている世界的に有名な神宮寺寂雷先生だ。
「それで…、彼は自分が25歳だと…?」
「そーなんすよ〜!自分はただのしがないリーマンで〜、今日は会議だ〜なんて言うんすけど!どっからどー見ても〜?小学生じゃないっすかぁ?」
「そうだね…私から見ても……」
「いえ、僕は25歳のリーマンです。〇×商事の営業課にいます。」
「……と言ってるんですよ…。」
独歩さんは有給休暇を使ったのか休ませてください、と死にそうな顔で会社に電話していた。
わかる、その気持ち俺もわかる。いきなり電話で休みたいなんて言い難いよなぁ。
「うん…、本当になまえくんが25歳だとしたら…とても不思議だね…。」
「身寄りのない子供が歌舞伎町で倒れていた、と…。」
「はい、そこを一二三が持ち帰ってきて…」
「彼の家は…?」
「それが……。彼が…なまえくんが会社行けないなら電話する、と言って会社に連絡すると、みょうじなまえという社員はいない、と返ってきたらしく…。ここに来る前になまえくんの部屋だというアパートに寄ってきたんですが、別の人が住んでいて……。」
そう。俺の存在が尽く消えてるんだが!!
有り得ねえだろおい…。
本当に行き場のない俺は途方にくれてここまで来たわけだ。一二三さんと独歩さんに手を引かれて…。
「そんなことが…」
「帰る家もない、身寄りもないがきんちょが歌舞伎町で捨てられてたんっすよ〜〜?」
捨て子…。俺は一体どうなるんだ…。まさか保護施設直行とか…?
「俺は……どこかに連れてかれるんですかね…」
急に体以外、何もなくなったことに不安になって手を握りしめた。
こんな小さな体でどうやって生きていけばいいんだよ…。
俯いていると、ポン、と頭に手が乗ってきた。
「ん〜〜、行くとこないならうちくるかぁ?」
「え…。」
見上げると一二三さんが首を傾けながら、来る?独歩の部屋は汚いけど俺っちの部屋なら大丈夫っしょ、と言っている。
「ひ、一二三!お前、責任取れるのかよ…っ」
「でも、ここでさよならしたらこいつどーなっちゃうかわかんねえんだろー?」
「それは…。」
「独歩だって、仕事休んでまで心配してんじゃん〜今日も大事なアポ?ってやつ、あったんだろ〜?」
「そりゃ…仕事なんかより、こっちのほうが…!」
「ほら〜決まり!どーする?俺っちたちのとこくる?」
「……い、いいんですか…」
ボロボロの服を裾を握って2人を見上げた。
「もっちー!な、独歩〜!」
「…なまえくんが…嫌じゃなければ…。」
最初は変わった2人だと思っていたけどどうやら、それは俺の偏見らしい。
ありがたい親切な提案に俺は乗っかるしかない。
「…お、ねがいします…。」
ペコリと頭を下げた。
2人の手が俺のボサボサの髪をわしゃわしゃと撫でた。
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