04
「すすすすみません!すみませんすみませんすみません!」
お姉さんにぺこぺこ謝っている独歩にお姉さんは苦笑いしていた。
「あっはは!独歩の慌てようすごかったんだぜ〜? あれっ?!手繋いでたのにいない?!えっ、誘拐?!俺が目離したせいで…俺のせいだ俺のせいだ、って言い出して〜」
「…なまえ!…くん、心配しただろ…っ!」
焦ったように独歩がつかつかとこちらに来た。
名前を言って、思い出したように なまえくんという独歩に少し笑いそうになった。俺だって呼び捨てさせてもらってるんだし、年下なんだから呼び捨てでも構わないのに。
「ごめんなさい。美味そうなビールフェアのところが気になって…」
「おいおい、25歳の中身が出てんぞぉー!」
「え、25歳だけど…。」
「いやいや、子供だろぉー!いや〜でも独歩の慌ててるのめっちゃウケっし〜」
「一二三!お前は…、保護者という責任をだな…っ!」
独歩が一二三に説いている中、お姉さんが俺のところに来て屈んだ。
「ぼく、お父さん?見つかってよかったねぇ」
お父さん……。えっ、そう見えてるのか。
ちらりと独歩を見上げた。独歩はえっ?という顔をしている。
「…うん、パパ。」
そう言って独歩のスーツを握った。
「パ、パパぁぁぁっ…?!ち、ちがっ、いや、えっ…」
「くくくくくっ!独歩おまえ、まじウケ〜!」
「そちらの方は…」
「ひっ!!いや…ど、どっぽ……」
女性に話しかけられた途端一二三の顔が青ざめて独歩の後ろに隠れた。
「はぁ、こいつも同じようなものです…。」
「御二方とも、お父さんですか…」
「え…?いや、え、そういう意味では、え…っ」
何やらお姉さんが顔を染めて嬉しそうに失礼しました、なんて言って去っていった。
「えっ、何か勘違いされてないか…っ?!」
「も、もう行った…?」
「はぁ…ああ、もう行ったぞ」
ということがあって、俺は今日で一二三が大の女性が苦手だということがわかった。
ちなみに、アナウンスの内容は俺が指定したわけだけど2人には怒られなかった。
むしろ、正解だ、合ってるなんて言われて「俺はやっぱり疲れてるように見えるのか…もう30手前のおっさんだしな…ハゲ課長みたいに禿げていくのかな…」とぶつぶつ言い始めて、独歩が超ネガティブだということもわかったことだった。
うん、かなり個性的な2人に俺は拾われたな。
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