「あ〜重症だよ重症。」
「どうしたの〜凛月ちゃん」
「…あれ。」
「あぁ…数日前からずっとあんな調子よねぇ」
凛月と嵐の目には、張り切って輝いてる瀬名がうつっていた。
「まー、前みたいなお通夜状態よりはマシだからいいんだけどさぁ。」
「そうね♪泉ちゃんがあんなに落ち込むなんて初めて見たもの!」
「ちょっとぉ!そこの2人!喋ってないで体動かしてよねぇ!」
「はぁ〜、俺今動けない〜なまえとメールしてるからぁ〜」
「…はぁ?!」
スマホをぽちぽちといじりながらくつろぐ凛月に瀬名がズンズンと歩みよってきた。
「ちょっとちょっとぉ!凛月ちゃん!泉ちゃん般若の顔で来てるけど?!」
「ふふふ〜♪」
「ちょっとぉ…くまくん?まじで怒るよ?」
「もう怒ってんじゃん」
「そのスマホへし折ってやる…!!」
「あああ!二人ともぉ!もう!凛月ちゃんも遊ぶのやめてよぉ〜!」
一触即発の瀬名と凛月の間に入って2人を止めようとする嵐。
「冗談だからさぁ〜♪」
そう言ってへらりと瀬名から逃げる。
冗談とはいったけど、凛月はなまえとメールしているのは冗談ではなく本当だった。
瀬名の家に戻ったなまえともう一度会った時に仲直りしたのだ。
あんずと仕事の打ち合わせでご飯を食べていた夜、偶然にもなまえを見つけて、謝ってなまえの腕を掴んだ時、ボロボロで泣きそうな顔を見て、瀬名の庇護欲があの時少し理解できた。
なまえとまた会ったのは瀬名の家で。
もう一度改めてごめん、というと初めは警戒していたなまえも凛月にも話してくれるようになった。
今ではメールもする仲に。
メールの内容は1点に尽きる。
今日送ったのはダンス練習時の瀬名の写真。
すぐになまえから返信がきた。
【ありがとう。】
くすりと笑みが漏れた。一つ年下の拾われた猫は微笑ましくて凛月もついついいじめてしまいがちだけど、本当はあの不器用さに瀬名だけでなく凛月も絆されていることは否めない。
【お礼はなまえの手料理でよろしく♪】
【味に自信ない。】
【セッちゃんのお弁当だけじゃなくて、俺のお弁当も作って〜】
【考えとく…】
多分メール見て困ってるんだろうなぁと想像して、笑いが漏れた。
瀬名の視線がすごく痛い。
「そんなに怒らないでよぉ。結局、最後はセッちゃんが幸せになるんだから♪」
そう、結局最後はなまえに送った写真を瀬名が気づいて恥ずかしいような嬉しいような気持ちになるんだろう。
そうして、また瀬名はそれを凛月に怒ってくる。勝手に写真を撮るな、と。でも、セッちゃん満更でもないんだよねぇこれが、と幸せそうな瀬名を見て口が緩んだ。
「さぁて、俺も頑張るかなぁ♪」
踊っている4人に混ざるべく、フロアを蹴って4人の元へ向かった。
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