玄関がゴミ袋でいっぱいになってきた。

分別は出来るし、綺麗に袋に入れることも出来る。
でもゴミを出すために外に行くことができなくていつもためてしまう。それを真緒が来てくれて出してくれるのだ。

そんな真緒も1週間来れないから玄関にゴミ袋は溜まるばかり。

五日目にしてようやっと、窓をすこしだけ開けた。

真緒がするみたいに換気するために窓を開けると重かった空気が軽くなるのを感じたのが数日前のこと。

宅配で全て済まそうとする俺の部屋はダンボールもいっぱいになってきた。

それなのに買ったご飯も手をつけてなくてそこらへんに投げてある。

手をつけないのは、3食インスタントにもはや飽きてきて真緒のご飯が食べたくて仕方がなかったから。

飢えるとはこういうことかと思いながら、それでもネトゲだけはやめなかった。

これをやめてしまうと本当に何すればいいかわからなくなってくる。

「あ……ミスった…」

敵から攻撃を受けて瀕死状態になる。回復してもらって何とか助かったところで廃人仲間からキレがないと怒られてしまった。
飯食ってないから餓死しそうと返したらさすが廃人と言われてしまう。

ああ、でももう空腹すぎてぼーっとしてきた。

ちょっと寝よう。調子悪いから落ちると伝えてパソコンを切った。

ベッドで寝転んで毛布を被った。
早く真緒が来てくれればいいのに。

そう願いながら眠りについた。



「―――――なまえ、なまえ!」


名前を呼ぶ声に目を開けた。

「っ、よかった…」

俺の顔をのぞき込む真緒がいて夢かと思った。


「……真緒?」

「はぁぁ…どんだけ呼んでも起きないから焦った…今まで以上に顔色が悪いし…」

起き上がって真緒を見ると、上着や帽子をかぶっていて、今ここにきたばかりだというのが分かった。

起きた俺を見て安心したのか、真緒は上着脱いで荷物を置いた。

「ごめんな。1週間は長かったな、こんなにひどくなるなんて…」

真緒は悲しそうな顔で俺を見た。

「…真緒が気にすることない」

真緒のせいでもなくて何もしてない俺のせいなんだから気にすることはないのに真緒は申し訳なさそうにしている。

「なあ…なまえ。俺と一緒に住むか?空いてる部屋あるし…」

「…は?」

真緒はどこまで世話好きなんだろうか。ダラけた幼なじみにそこまで考えるなんて人が良すぎる。

「…大丈夫。」

「でも」

「…真緒のところ、折半しても家賃払えないし、」

「そんなの気にするなよ!2人で分けなくてもいいし!」

「大丈夫だから…!」

「…わかった…。…でも俺が来れないときはせめて外に食べに行くとかして体壊さないようにしてほしいインスタントだけじゃなくて…」

「わかってる。」

真緒はまだ何か言いたそうだったけど俺が真緒を見ようとしないため、部屋の片付けを始めた。

俺も手伝いながらさっきの言葉を思い返す。

真緒は俺とは一駅離れたところのマンションの一部屋に住んでいるらしい。

外に出たくないから行ったことはないけどネットで調べる限りは立地も良くて設備も整っているしお高いらしい。

俺の部屋の家賃の2倍以上のところを払えるわけないので一緒に住むのは無理だ。

そもそも一緒に住むと俺が真緒のプライベートまで侵害してしまう。

俺がいたらしたいことだってできなくなるかもしれないのにここまで世話しもらってる俺がこれ以上迷惑かけるわけにはいかないのでやっぱり無理だと思った。

片付けが終わって風呂から出て、待ちに待っていた真緒のご飯にありついた。

野菜中心だったけど美味しくてすぐにお腹の中におさめた。真緒は俺が寝るまで部屋にいてくれた。


朝起きたら、朝ごはんにラップが被せてあった。
美味しくてネトゲのキレも復活して仲間に褒められた。


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